国家の懐深く封印され続ける膨大な戦争画の群れ──この狂気に彩られた美の謎とは何か。一人の画家が、自己の存在の根源を問い直す作業として、戦争画とそれを生んだ日本近代美術史の構造を、“権力”と“美”との稀有な結節点に生きた人々の思想を通して探る。