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「ジャンル」のワクを越境したい人に読んでほしい本

あるジャンルについて理解したい思ったとき、まず基礎や専門知識を身につけることは大切なことです。しかし誤解を恐れずに言えば、いわゆる「中」にいるからわからない、「外」の人からの視点を得て初めて気づきが生まれることも、たくさんあるのではないかと思います。内部に耽溺することなく、また自らが与える他ジャンルへ貢献も意識しながら、有機的にインタラクションしていくにはどうしたらよいのでしょうか。

「芸術」の予言!!

「季刊フィルム」コレクション・編集部編/序文・四方田犬彦

手前ミソで恐縮ですが、弊社の創業者たちの意志のこもった『芸術の予言』は、1960年代から70年代にかけて弊社が発行していた雑誌「季刊フィルム」「芸術倶楽部」から選りすぐりのコラム集です。映画雑誌でありながら、演劇、音楽、美術、デザインと、あらゆる前衛表現を自由に横断して、表現活動を過激に挑発し続けました。平沢剛さんも評されて(http://booklog.kinokuniya.co.jp/hirasawa/archives/2010/01/60.html)いるように、激動の「ラディカル・カルチュア」時代に他者、他ジャンルで互いに影響し合ったからこそ、数々の優れた活動が生まれたのでしょう。

路上と観察をめぐる表現史

監修=広島市現代美術館機|執筆者=松岡剛、中谷礼仁、内海慶一、田中純、石川初、南後由和、みうらじゅん、中川理、福住廉

『路上と観察をめぐる表現史』は「作り手知らず」なモノゴトを観察の名手たちが発見し、再編集していく壮大なクロニクル。路上(街、都市)や市民の観察からはじまった民俗学の一ジャンルが、いつしか世相や風俗、「人間」そのものを表す考現学という学問となり、いまやアートやデザインとしても昇華されていくさまも、あらゆるジャンルの人々が行き交う中から生まれた発展形と言えるでしょう。わたしたちは社会を形成する一部分として観察され、また他者を観察する側でもある。ひとつの側面からはわからない多面体としての思考を促すきっかけとなるはずです。

ファッションは語りはじめた

西谷真理子 編/蘆田裕史、千葉雅也、鈴木親、林央子、井伊あかり、黒瀬陽平、田村有紀、高野公三子、藤原徹平、金森香、中村茜、川田十夢、神田恵介、山縣良和、他 著

近年では、ファッションもまた、あらゆるジャンルの人々から「言葉」にすることを意識されている分野でしょう。『ファッションは語りはじめた』では、ファッション文化は批評なしでの発展はあり得ない、という強い信念のもと、めまぐるしく変化する流行に踊らされることもファッションの魅力には違いないけれども、その奥にひそむ身体と被服が織りなす真のクリエイティヴィティを意識し、さまざまなジャンルの言葉を結集することで、拡張するファッションの輪郭をとらえ直すことができるのではないかと提案しています。語りたくなるNO.1ブランド『相対性コムデギャルソン論』と合わせてぜひ読んでみてください。

共生のデザイン

枡野俊明=著

一方、禅の思想があらゆる場面で活かせることを教えてくれる『共生のデザイン』では、禅僧であり、世界で活躍する庭園デザイナーである枡野俊明氏が、創造性の強度を増すための思考プロセスを明かしています。ビジュアルデザイン会社wowの鹿野護さんも絶賛の、すべてのクリエイターにとって、穏やかなのに大きな刺激(!)が得られる内容となっています。

フリーカルチャーをつくるためのガイドブック

ドミニク・チェン=著

最後はすこし視野を拡大して、創作活動に関わるすべてのワクを越えるために『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』をお読みください。文化をオープンにして循環させることが、創造性のあり方と社会の発展にどのようなヒントになるのか。クリエイティブ・コモンズの創始者レッシグをはじめ、津田大介氏、伊藤穣一氏からも推薦いただいたポスト・インターネット時代のガイドブックです。

2013.07.08


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