
フィルムアート社編
A5判
2000円(税別)
映画と宗教の密接な関係に焦点を当て、聖書映画はもとよりキリスト教図像学などとの関わりを探る。
映画は、『キング・オブ・キング』『十戒』から『タクシードライバー』『バッド・ルーテナント』まで、くり返し、宗教と人生、宗教と美学の関係を描いてきた。それを映画の<宗教美学>と呼びたい。9.11以後の現代は、真善美を追い求める<宗教美学>ではなく、聖俗、美醜、善悪、笑いとシリアスさを合わせ持つ新しい<宗教美学>の映画が台頭している。本来、目に見えない宗教や信仰の価値を映画という視角メディアはどう描いてきたか。なぜ、ブレッソンやジョン・ウーはクリスチャンで映画を撮るのか。ベルイマンは「神の沈黙」をどう描いたかなど、迫真の普遍的テーマを縦横無尽に論じる。
イントロ シネマの宗教美学とは何か
1)宗教美学派の代表的シネアストたち
01 カール・ドライヤー
02 イングマル・ベルイマン
03 ロベール・ブレッソン
04 ルイス・ブニュエル
05 ロベルト・ロッセリーニ/ピエル・パオロ・パゾリーニ
06 マーティン・スコセッシ/ポール・シュレイダー
07 現代の流れ
アンドレ・タルコフスキー/ラース・フォン・トリアー/
ウディ・アレン/クシシュトフ・キェシロフスキ/ダルデンヌ兄弟/
アベル・フェラーラ/ハーモニー・コリン/ショーン・ペン/ジョン・
ウー/ウォシャウスキー兄弟
2)<シネマの宗教美学>の古典/現代的パースペクティヴ
01 キリスト教/聖書映画
02 キリスト教図像学
03 <神の死の神学>
04 神秘主義派
3) <シネマの宗教美学>の周縁とアクチュアリティ
01 政治/宗教対立、テロ、戦争
02 ポストモダン・スピリチュアリティ
03 宗教と映画音楽
04 サブカルチャー系
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