ストーリー・ジーニアス

脳を刺激し、心に響かせる物語の創り方

リサ・クロン=著
府川由美恵=訳
発売日
2017年8月26日
本体価格
2,000円+税
判型
四六判・並製
頁数
416頁
ISBN
978-4-8459-1640-5
Cコード
C0090
備考
品切

その他のネット書店から購入

脳科学・神経科学を使ったアプローチで、
“物語の天才〈ストーリー・ジーニアス〉”になる!

読みだしたら止まらなくなる創作術の極意は、
主人公の“内面の葛藤”を描くこと!

本書は脳科学を用い、プロットとメタファー(隠喩)の背景にあるストーリーライティングの本質を解き明かしていきます。主人公の内面的な葛藤が物語を動かすというテーマを取り上げ、神経科学に関する真理を活用して段階的にアドバイスしていきます。

「感情」が他の何よりも早く脳に関わる、という事実を脳科学の知識から強調。 実践的で理解しやすく、物語のなかにおいて「何が機能していないか」を認識させ、ストーリーをどのように働かせるかを理解できるように設計し、それを開発・再開する手助けをします。

この1冊を使えば、読者の世界観が変わるような、魅力あふれる物語を創り出すことができます!

本書は、あなたが物語の暗号を解読し、見えないものが見えるようにすることを手助けするストーリー・ジーニアス本だーー言うまでもなく、それは可能なことなのだ。この本があなたを〝物語の天才〞にする。あなたの物語を成功に導くために、物語の青写真をいかに巧みに生みだすかを、この本が最初から順を追って説明していく。また、書き直しの時間を大幅に減らす方法もわかるようにする。そして、それだけではない。小説であろうと、あるいは映画の脚本であろうと、戯曲やショートストーリーであろうと、これからあなたが書く作品は、最初の一行から読者の心をつかめるようになるばかりか、これまで書いたどの作品よりも深く豊かで、人の心を奪うものになるはずだ。なぜそこまで言い切れるのか?私が言っているのは、アイスクリームショップ の〝今月の新しいフレーバー〞みたいな、何もないところから魔法でひねりだした創作システムとは違うものだ。これは脳科学の話なのだ。(まえがきより)

リサ・クロンは、正しい執筆神話と呼ばれているものを脳科学で叩き潰し、あらゆるプロットやメタファーの裏側にある真の物語を見つける手助けをしてくれる。
——『ライター』

最新作『ストーリー・ジーニアス』において、リサ・クロンは、物語を機能させるのは主人公の内面的な闘いである、というテーマを取りあげた。この脳科学的な真実を活用しながら、より豊かで深みのある初稿を生みだすためにはどうすればいいか、ひとつひとつアドバイスを与えてくれている。……クロンは、作者が物語を見失わないための訓練法や事例を示しながら、人の脳を物語に引き込むのはほかでもない感情だと、たえず訴えている。……理解しやすい、まぎれもなく重要なコンセプトだ。たとえゆっくり考える時間がないときでも、自分の作品の青写真を作る訓練の時間をぜひ見つけてみたいものだ。
——psychologytoday.com

「どうしたら印象的で魅力的な物語が書けるのか?」こうした単純な質問は、リサ・クロンにぶつけてみるといい。成功した作家でありストーリーコーチのクロンは、このほど二冊目の著書『ストーリー・ジーニアス』を発表した。認知的ストーリーテリング戦略のマニュアル本とでも呼ぶべきこの著書は、現行の脳科学を活用しながら、読者の執筆能力を押しあげる手助けをしてくれる。
——『クリエイティブ・スクリーンライティング』

『脳が読みたくなるストーリーの書き方』の著者リサ・クロンがこの最新作とともに提示した問いかけはこれだ——「作家が犯しがちな最大の過ちは何か?」 クロンは、何が真に魅惑的な物語を生むのか、どうしたらそんな物語が書けるのかを、心理学や科学を使いながら説明していく。……小説を組み立てたり、修正したりするための詳しい指南書を探している新米作家は、本書のなかに有益な情報を多数見いだせることだろう。
——『パブリッシャーズ・ウィークリー』

目次

Part1 何が物語で何が物語ではないのか?
1 物語:脳の暗号解読(デコーダー)リング
2 山ほどの神話——書くために教わってきたことは全部間違っている

Part2 内面の物語を創る
3 “もしも?”という見込みが壊れるとき
4 “誰”——ひっくりかえされるのは誰の人生?
5 “なぜ”——主人公にとってなぜそれが大事なのか
6 “世界観”——主人公の見ている世界
7 次は“何”が? 原因と結果の美
8 “いつ”——主人公が嫌とは言えない(心では望んでいる)申し出

Part3 主人公の内心の闘いをうながす外面的な試練を創造する
9 あなたの小説に始まり、そして『ストーリー・ジーニアス』式青写真システムの始まり
10 本当の“そうか!”という”瞬間——物語はどこで終わるのか?
11 青写真を作る——動く要素をどう追いつづけるか
12 進むために戻る——プロットを決めるために過去の情報を集める
13 物語の論理——どの“何か”にも“なぜ”がなければならない
14 重層化の秘訣——サブプロット、ストーリーライン、二次的な登場人物
15 執筆を進める——物語はらせん状に大きくなる

プロフィール

[著]
リサ・クロン(Lisa Cron)
『Wired for Story』(『脳が読みたくなるストーリーの書き方』)の著者。オンラインラーニングサイトLynda.comのビデオ教材『Writing Fundamentals: The Craft of Story』の講師。2014年にファーマン大学で開催されたTEDxカンファレンス『Stories: The Common Thread of Our Humanity』では、トップバッターとして『Wired for Story』と題したトークをおこなった。受賞歴もある作家向けウェブサイト“Writer Unboxed”にも月1回寄稿している。
出版社W・W・ノートンで働き、アンジェラ・リナルディ・リタラリー・エージェンシーではエージェントとして、ショウタイムやコートTVではプロデューサーとして、ワーナー・ブラザーズやウィリアム・モリス・エージェンシーではストーリー・コンサルタントとして仕事をしてきた。2006年以降、UCLAでは文芸プログラム公開講座、ニューヨーク・シティのスクール・オブ・ヴィジュアル・アーツでは視覚的物語叙述の修士プログラムの講師を務める。ライターのカンファレンス、スクールや大学などで講演することも多い。
作家、非営利組織、教育者、ジャーナリストなど、紙の上で自分の物語を伝えたがっている人々を、物語コーチとして手助けする。夫とみすぼらしい愛猫二匹とともに、カリフォルニア州サンタモニカで暮らす。
個人サイト:wiredforstory.com

[訳]
府川由美恵(ふかわ・ゆみえ)
翻訳家。明星大学通信教育部教育心理コース卒業。主な訳書に『黙示』『上海ファクター』(以上、早川書房)、『物語の法則——強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』、「アイスウィンド・サーガ」シリーズ(以上、アスキー・メディアワークス)、『作家たちの秘密——自閉症スペクトラムが創作に与えた影響』(東京書籍)、『好奇心のチカラ——大ヒット映画・ドラマ製作者に学ぶ成功の秘訣』(KADOKAWA)など。本書は、リサ・クロンの前作『脳が読みたくなるストーリーの書き方』(フィルムアート社)に続く翻訳となる。