Books

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック

シド・フィールドの脚本術2

btn_buy


世界中で一番読まれている脚本術、待望の翻訳第二弾!
あなたのアイデアを傑作に変えるプロセスのすべてを指南


刊行後、反響を集め続ける『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』に第二弾が登場。今回はシド・フィールドが世界各地で行なったワークショップをベースに作った、より実践向きの内容です。
本書では、脚本を書くまでの準備、そして実際の執筆にあたってのポイントを、順を追って丁寧に伝授。各章を読み、章末の練習問題に取り組めば、読み終わる頃には一本の脚本が仕上がります。どんな映像のストーリーテリングにも応用可能な考え方が身に付くばかりか、映画鑑賞に対しても新しい視野をひらく一冊です。

【推薦】
言葉で考える人間が、絵で伝えるものが映画だ。
言葉と映像との葛藤が劇を生み、脚本術こそが映画の核となる。
面白く、劇的な一冊だ。
──大林宣彦(映画作家)

脚本は映画の地図、作戦計画書、そして魂。
──犬童一心(映画監督)

 本書は、これまでに私が世界各地で行なってきた脚本術のワークショップをもとに執筆したものである。私のワークショップは7週間単位で、最初の4週間は書く準備、残りの3週間は実際の執筆に当てるよう構成されている。目標は(私は目標をたてるのが大好きなのだ)、脚本の第一幕を完成させることだ(おおよそ20〜30ページ)。
 ワークショップに参加する受講生の大半は、どんなストーリーを書くか漠然としたアイデアしか持っていない。たとえば「休暇でハワイに遊びにいった重役の女性が若い男性と恋に落ち、帰国してみると二人の関係はうまくいかないことに気付くっていうストーリーを書いてみたいんです」
 そのくらいシンプルなのだ。
 ワークショップの最初の授業では、脚本のテーマ、アクション("何が"起き)、登場人物("誰に"起きるか)を考え、ドラマの構成の本質や特徴について話し合う。そして次回までの課題として、自分のアイデアをドラマとして構成し、結末・始まり・プロットポイントⅠ・プロットポイントⅡを明確に押さえた4ページのあらすじを書いてもらう。私はこれを"実にしんどい練習問題"と呼んでいる。というのも、受講生は漠然としたアイデアから、構成のある4ページのあらすじを書くのだから、相当つらい作業になるはずだ。
 第二週目には、登場人物を掘り下げていく。生まれたときからストーリーが始まるまでの履歴を書き、主人公の人生を作っていく。また主人公の仕事関係、個人的な人間関係、そしてプライベートについても概要をまとめる。この週では、主人公と主要な登場人物数名に関する履歴を仕上げることが課題となる。第三週目では、5×3情報カードを使ってストーリーラインを構成し、ストーリーが始まる一週間前、一日前、一時間前に何が起きたかを書いたバックストーリーを仕上げる。第四週目には最初の10ページを書き、残りのワークショップでは週に10ページのペースで執筆を進めていく。すると第一回のワークショップ(全7週間)の終わりには、脚本の第一幕(約20から30ページ)が完成するようになっている。
 いったん第一回のワークショップは終了し、しばしの休みを挟んで、第二回が始まる。この7週間の目標は、第二幕を書き上げること。そして第三回の7週間では第三幕を完成し、書き直しを行なう。
 こうして計三回のワークショップが終了する頃には、ほぼ80%の受講生が脚本を書き上げているのである。これまでにすばらしい作品を完成させた受講生は大勢いる。
(中略)
 本書は、このワークショップをベースにして構成されたものだ。つまり、各章を読んで章末の練習問題に取り組めば、読み終わる頃には一本の脚本が仕上がっていることになる(少なくとも理論上は)。本書は、アイデアが浮かんだところから脚本の完成まで、脚本執筆のプロセスを一歩一歩計画的に踏むためのロードマップのようなものだ。肝心なのは、自分の書いたものがきちんと機能しているかどうかを知ることなのである。
 各章末の練習問題は、脚本執筆のプロセスを、より広く、深く理解するためのチャンスだ。脚本を書くという旅は、こんなものだと考えてほしい。間違いを犯すことを恐れず、うまくいかないことにもチャレンジし、どうしようもなくダメなものでも書いてみる。そういった努力なくしては、何も学べない。
 あなたはこんなふうに取り組めるだろうか? うまくいかないことにも果敢にチャレンジし、下手くそなものを何ページも書く勇気があるか? 自分の書いたものがうまくいっているかわからず、疑念や混乱を感じ、怒りや不安に駆られることも厭わないか?
 この本は、経験しながら学んでいくための本である。水泳や自転車と同じように、経験を重ねれば重ねるほど上達するのだ。本書を読み、脚本を書き始める覚悟ができたら、一章ずつ読んで練習問題に取り組みなさい。これは一歩一歩前進するプロセスであり、一章を終えるのに一週間もしくは一ヶ月かかるかもしれない。が、それでもかまわない。各章の練習問題をしっかりやり遂げるまで、必要なだけ時間をかけてよい。
 本書の目的は、脚本の知識・理解・技法や執筆の技術やコツを明らかにし、さらに拡大して深めていくことだ。本書を読めばプロの脚本を書くための技術や秘訣が学べるはずである。
 ただし完璧を求めてはいけない。ジャン・ルノワールがいつも言っていたように「完璧さは心の中にのみ存在するものだ。現実には存在しない」
 だから、自分のストーリーを語りなさい。
――本書「イントロダクション」より抜粋

ためし読み

第1章すべては白紙から始まる
http://www.kaminotane.com/2020/04/07/9402/

ミッドポイントとは?
http://www.kaminotane.com/2021/01/10/13818/

目次

イントロダクション
■第1章 すべては白紙から始まる
何を書くかを知るのが難しい/あなたはどんなストーリーを書きたいか?
脚本にはストーリーラインが存在する/迷ったら何もするな
何についての、誰についてのストーリーか/ドラマとしてのリアリティ
具体化することでテーマは明確になる/テーマの設定は執筆の出発点である
練習問題
■第2章 脚本の構成とは何か?
構成がストーリーという全体を作る/映像で語ることが脚本の本質である
構成はストーリーを収める空間である/映像の語りを変えた三本の作品
キイ・インシデントをめぐって物語は展開する
ストーリーは構成によって成立する/もし構成がうまくいかなかったら?
練習問題
■第3章 パラダイムを知る
パラダイムとは何か?/ストーリーには発端・中盤・結末がある
第一幕では状況設定をしよう/ストーリーを転換させる
第二幕では葛藤を表現しよう
プロットポイントⅡがさらにストーリーを前進させる
第三幕は解決である
練習問題
■第4章 四ページであらすじを書く
四ページであらすじを書いてみる/「いったいどういう話なんだい?」
あらすじはなぜ四ページか?/第一幕――再現と要約
第二幕――障害を整理する/第三幕からラストへ
四ページのうちわけ/あらすじはスタート地点にすぎない
練習問題
■第5章 魅力的なキャラクターを作る
アクションこそがキャラクターを形成する
「タイプ」になるような登場人物を作ろう
魅力的なキャラクターを作る要素 ①ドラマ上の欲求/②ものの見方/③態度/④変化
練習問題
■第6章 人物に奥行きを与える
登場人物を深く掘り下げる/登場人物の年表を作ろう
年表は登場人物を理解するヒントになる
キャラクターの暮らしを三つの側面から考察しよう
人物の幅を広げる ①実地のリサーチ/②資料によるリサーチ
会話は何のためにあるのか?/会話の二つの役割
練習問題
■第7章 葛藤とCircle of Being
ドラマはすべて葛藤である/葛藤こそがストーリーの奥行きを生む
CBをきっかけに人物像を膨らませよう/映画作品に見るCBの力
練習問題
■第8章 時間と記憶
優れたストーリーは心に突き刺さる/新しい切り口を模索する作品たち
脚本術の革命/『ボーン・スプレマシー』こそ新しい脚本である
ポール・ギルロイが語るボーン・シリーズ
『ボーン・スプレマシー』で直面した難題
ギルロイは難題をどうやって解決したか?
「俺は誰なんだ?」/フラッシュバックは「現在」の表現である
フラッシュバックの効果的な使い方
練習問題
■第9章 第一幕を構成する
第一幕は物語の状況を設定する/何を見せるかを明確にしよう
第一幕の構成の仕方/『サイドウェイ』のオープニングをカードで書く
ファーストシーンの直前、主人公には何があったか?
バックストーリーが生むドラマの緊張感
練習問題
■第10章 最初の10ページ
私が脚本に求めるもの/読者のハートをつかむ、最初の10ページ
オープニングで消える冥王星/遅く入って早く出ろ
心をつかむオープニング――『ロードオブ・ザ・リング』
冒頭の10ページは練りに練るべし
練習問題
■第11章 次の10ページ、その次の10ページ
次の10ページでは主人公に焦点を当てよう
二番目の10ページには注意せよ
三番目の10ページの鍵は、プロットポイントである
模範的な第一幕――『普通の人々』
練習問題
■第12章 ミッドポイントを探す
葛藤こそが第二章を前に進める/主人公のドラマ上の欲求を明確にせよ
中心的な出来事にストーリーをぶら下げる/ミッドポイント
ミッドポイントが第二幕の前半と後半をつなぐ
ミッドポイントによって主人公は多面的に描かれる
練習問題
■第13章 前半と後半
「これがミッドポイントですか?」
ミッドポイントはストーリーを組み立てる/悩んだら、書け
ストーリーの時間枠/「ピンチ」がストーリーの脱線を防ぐ
第二幕の全体を構成しよう
練習問題
■第14章 第二幕を書く
葛藤はドラマの基本である/書くことは、書き直すこと
第二幕のオープニングを考えよう/不安への対処法
優れた転換はそれを感じさせない/転換はどんな手法でもかまわない
構成は柔軟なものである/窓ガラスにぶつかってはいないか?
練習問題
■第15章 「解決」を描く
あなたのストーリーの結末は?/とにかく書き続けよう
『シンデレラマン』は結末の見せ方が優れている
ラストは高いところを目指せ/「人間とは何か」をえぐる 
第三幕のアクションシーン/あなたはついにやり遂げた!  
練習問題
■第16章 推敲を重ねる
脚本は日々変化する/自分の脚本を客観的な目で読み直そう
次は三つのレポートを書こう/ストーリーを意識して第一幕を書き直そう
第二幕と第三幕をリライトする/カットして、カットして、カットせよ
完璧な脚本など存在しない
練習問題
■第17章 読むに値する脚本とは?
優れた脚本とは何なのか?/脚本の評価
本当に書きたいのなら、書いてみなさい
練習問題
■監修者あとがき
■映画題名索引

PROFILE

[著者] シド・フィールド(SYD FIELD)
国際的評価を得る脚本家。ジャン・ルノワール、サム・ペキンパーらに師事。プロデューサー、教師、ベストセラー作家。前作『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』(フィルムアート社)は22ヵ国語に翻訳され、全米 400以上の学校でテキストとして使用。彼の関係した映画は『ゴッドファーザー』『アリスの恋』『アメリカン・グラフィティ』など。門下生には、ジェームズ・キャメロン、テッド・タリー、キュアロン兄弟など、ハリウッドを代表する錚々たる映画人が名を連ねる。20世紀フォックス、ディズニー・スタジオ、ユニヴァーサル・ピクチャーズ、トリスター・ピクチャーズほかの脚本コンサルタントを歴任。全米脚本家協会で初の名誉の殿堂入りを果たした。ビバリーヒルズ(カリフォルニア)在住。
[監修者]
安藤 紘平(あんどう・こうへい)

映画監督・早稲田大学教授。
繊細で独創的な表現力で知られる映像作家。ハイビジョンを使っての作品制作では世界的な先駆者。ハワイ国際映画祭銀賞、モントルー国際映画祭グランプリなど数多く受賞。パリ、ニューヨーク、LA、東京、などの美術館に作品収蔵。2001年、2005年パリにて安藤紘平回顧展開催。日本映画監督協会国際委員。
加藤正人(かとう・まさと)
脚本家・東北芸術工科大学映像学科教授・早稲田大学大学院客員教授。
人の想いの細やかな描写に定評がある脚本家。1999年『水の中の八月』モンス国際映画祭最優秀脚本賞、2001年『女学生の友』第4回菊島隆三賞、2007年『雪に願うこと』毎日映画コンクール最優秀脚本賞、2009年『クライマーズ・ハイ』日本アカデミー賞優秀脚本賞、2011年『孤高のメス』日本アカデミー賞優秀脚本賞、ほか。
小林 美也子(こばやし・みやこ)
早稲田大学客員研究員・ゲスト講師、(株)LEC講師。
立命館大学法学部在学中にN.Y.へダンス留学、ショービジネスの世界にハマる。帰国後一転して、資格試験予備校で、企業法務・自治体法務研修、就職試験講座ほかを担当する人気講師に。オリジナル漫画を利用した法律書が評判。日中合作映画『禅武合一 少林功夫』ほかプロデュース。
[訳者]菊池 淳子 (きくち・じゅんこ)
翻訳家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、同大学教育学研究科英語教育専攻修士課程修了。カナダ・トロント大学大学院演劇科卒業。訳書に『クローネンバーグ・オン・クローネンバーグ』、『森の中からジャズが聞こえる』、『デイヴィッド・リンチ』(共訳)、『アカデミー賞を穫る脚本術』、『ヒップホップはアメリカを変えたか?』、『ラッセル・シモンズの成功哲学』、『SAVE THE CATの法則』(以上、フィルムアート社)ほか。

素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック
シド・フィールドの脚本術2

シド・フィールド 著/安藤紘平+加藤正人+小林美也子 監修/菊池淳子 訳

  • A5判|288頁|本体:2,300円+税|ISBN 978-4-8459-1177-6

btn_buy


動く出版社 フィルムアート社
logo_footer
株式会社 フィルムアート社
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-20-6 第21荒井ビル │
tel: 03-5725-2001
fax: 03-5725-2626
e-mail: info@filmart.co.jp
Copyright©2021 Film Art, Inc. All Rights Reserved.