ジミ・ヘンドリックスとアメリカの光と影

ブラック・ミュージック&ポップ・カルチャー・レヴォリューション

チャールズ・シャー・マリー=著
廣木明子=訳
発売日
2010年1月25日
本体価格
2,600円+税
判型
A5判・並製
頁数
360頁
ISBN
978-4-8459-0943-8
Cコード
C0073
備考
品切

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ジミ・ヘンドリックス、その魂と音楽の再発見!

ブルースとソウル、あるいはジャズとロックといった音楽ジャンルを越境し、あらゆる既成概念を打ち壊した革命児ジミ・ヘンドリックス。彼の音楽を、社会、文化、世相、音楽史を縦横無尽に絡ませて、アメリカ及び戦後ポップカルチャー史という大きな背景をあぶり出した、ジミ・ヘンドリックス研究書であり、カルチュラル・スタディーズの元祖とも言える渾身の一冊!
■ピーター・バラカン氏による日本語版あとがき収録!
■イギリス音楽ジャーナリストの大家、C・S・マリーの初邦訳書!

推薦コメント
「ジミ・ヘンドリックスを、戦後アメリカの大衆文化の多様性を象徴するひとつの社会現象としてとらえた、とても濃密な本です。これぞ音楽批評だと思います。」
――ピーター・バラカン

ブルースとソウル、あるいはジャズとロックといった音楽ジャンルを越え、アメリカとイギリス、黒人と白人、男性中心主義とフェミニズム、生への渇望と死への撞着……あらゆる境界を横断して既成概念を打ち壊し、現代アメリカ文化の持つ多様性を体現した、革命児ジミ・ヘンドリックスの決定的研究所!
「僕は、〈音楽批評〉というのは、こういうものを指して言うものだと思っています。黙っていると僕は〈評論家〉と呼ばれたりすることもしばしばありますが、僕自身は一度も〈評論家〉を名乗ったことはありません。なぜそう名乗らないかというと、こういう文章を僕は書くことができないからです」――ピーター・バラカン(日本語版あとがきより)

本書はすべてのシリアスなジミ・ヘンドリックス・ファンにとって垂涎の書だ。それは主に、この本が注目すべき点――つまりジミの音楽的遺産に、焦点を絞っているからである。マリーは間違いなく、ヘンドリックスが今我々が生きている時代へ向けて抱いて将来像、ハード・ロックからファンク、さらにはジャズへの道を、初めてしっかりと描いたライターだ。本書はまた、私が今まで出会った中で最高の、門外漢によるエレクトリック・ギター史でもある。
――デイヴ・マーシュ(音楽評論家)

単なる伝記の域を大きく超えて、じっくり味わうべきポップ・ミュージック入門書であり、吸収すべき社会史であり、そして時おり、愉快な個人的な思い出話で、読者を楽しませ、羨ましがらせる。
――ロビー・サーフ、『ニュー・ミュージカル・エクスプレス(NME)』誌

目次

イントロ イギリスとアメリカを一体にした讃歌
1章 我々の時代
気分としての六〇年代、そしていかにしてアングロ・アメリカン・
カルチャーの連続体はそこからここへたどり着いたのか
2章 ハイウェイ・チャイル
ジミ・ヘンドリックスに関する事実
3章 〝オレは男だ(そうありたいと努力している)〟
だからジミ・ヘンドリックスは性差別主義の豚野郎ってこと?
4章 鏡張りの部屋
黒人アーティストと白人のオーディエンス
5章 未完の人生と夭折シンドローム
伝説のギタリスト、ロバート・ジョンソンとチャーリー・クリスチャンとともに
6章 ブルースは生命の水
ブルースマンとしてのジミ・ヘンドリックス
7章 ソウルのパワーがあれば何だってできる
ジミ・ヘンドリックスとソウル・ミュージック
8章 オレの〝A列車〟がやってくるのが聞こえる
ジミ・ヘンドリックスとジャズの遺産
アウトロ イギリスとアメリカを一体にした讃歌(スライト・リターン)
補遺 ヘンドリックスとハードウェア
日本語版によせて ピーター・バラカン

プロフィール

[著]
チャールズ・シャー・マリー(Charles Shaar Murray)
1951年生まれ。イギリスの音楽ジャーナリスト。1970年に『OZ』の学生編集号に参加したことからキャリアをスタートさせ、2年後には『ニュー・ミュージカル・エクスプレス』誌の編集に加わる。最終的に副編集長となったが、その後フリーランスに戻る。著書に『Boogie Man: Adventures of John Lee Hooker in the American 20th Century (ブギー・マン─アメリカの20世紀におけるジョン・リー・フッカーの冒険)』、『Shots From The Hip (ショッツ・フロム・ザ・ヒップ─必携ブルースCDガイド)』他、『David Bowie: An Illustrated Record (デヴィッド・ボウイ─アン・イラストレイティッド・レコード)』(ロイ・カーとの共著)。『ヴォーグ』、『ローリング・ストーン』、『フェイス』、『デイリー・テレグラフ』、『オブザーバー』、『インディペンデンス』その他多数の雑誌、新聞に記事や批評を執筆。

[訳]
廣木明子
翻訳者。立命館大学文学部英米文学専攻卒。立教大学文学部フランス文学博士前期課程修了。訳書に『ジミ・ヘンドリックスの創作ノート』(ブルース・インターアクションズ)、『ジミ・ヘンドリックス レジェンド』(小学館)、『デイヴィッド・リンチ』(共訳)、『テリー・ギリアム』、『ハリウッド脚本術2』、『ファンタジー映画を書きたい!』(以上、すべてフィルムアート社)。