
石岡良治、三浦哲哉=編著
平倉圭、土居伸彰、入江哲朗、畠山宗明=著者
A5判|416頁|ISBN 978-4-8459-1587-3|定価:2,500円+税
映画論を拡張する最強のガイドブック爆誕!!
次世代を担う気鋭の論客たちによる、現代映像文化の新たな可能性を切り拓く、迫真・気合いの白熱クロストーク。
「脳筋」を鍛えて、いざ、現代映像文化の奔流へ──。
■刊行記念トークイベント開催!
「超」攻略!『オーバー・ザ・シネマ』〜Pump Up Your Brain Muscles !!〜
石岡良治 × 三浦哲哉 × 平倉圭 × 土居伸彰 × 入江哲朗 トークイベント
会場:青山ブックセンター本店
日程:2018年6月1日 (金)
時間:19:00~20:30 開場 18:30~
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■フィルムアート社のウェブマガジン「かみのたね」でためし読みを公開しています。
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■メディア掲載
雑誌『月刊ホビージャパン』6月号で紹介していただきました。
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映画(経験)とは何か? 映画の面白さとは何か?
複数のクライテリアが入り乱れる映画史を再考し、映画理論の拡張を従来とは別の仕方で検討。
旧来の映画の見方を超えていく可能性を示すための、「超」映画の見方・ナビゲーション、ここに誕生。
現代ハリウッド大作から、古典、80年代映画、アニメーション、実験映像まで、さまざまな具体的な作品を縦横無尽に議論し、映像を現在的に読み解く手がかりを提示する。映画とは何か、映画を見るとは何か、映画について語るとは何か、を問い直す大胆不敵な画期的討議。
まえがき 石岡良治
第1章 現代ハリウッド映画と映像の図書館――『アバター』と『インターステラー』
石岡良治×三浦哲哉
「結節点」として見る/「尺度変化」と「映画館」/『重力」、「アメリカ的なもの」との距離/「遺棄」への傾向とアーカイヴの外部/発明品と産業の更新――『鷲の巣から救われて』/スクリーン・プロセス――『鳥』/アメリカ史との張り合い――『絞殺魔』/陳腐化の問題と陰謀論――『マトリックス』/CGが可能にした表現――『ロード・オブ・ザ・リング』/異質な表象体験の接続――『アバター』/アバターと人間の間/過去の映像の歴史にどう入っていくか/ディシプリンとコンベンション
第2章 「古典」と「ランキング」は何を意味するか
石岡良治×三浦哲哉
「古典」と「ランキング」/デビュー作映画ベスト/選別と忘却/デビューへの欲望/アンドレ・バザンと「理想河床」/「逆撫で」映画ベスト/政治的モダニズムと異化/同化と異化/名作の難点/限界例としてのケネス・アンガー/逆撫でとアレゴリー/『溝口健二論』の政治と美学/『ゼロヴィル』とシネフィル/ガイドブックとしての『シネマ』
第3章 「筋肉」から映画史を考え直す――スタローンとシュワルツェネッガー
入江哲朗×石岡良治×三浦哲哉
映画史のナチュラル・ヒストリー化/吹き替え映画という環境/午後のロードショー/ドメインの最大化/だらしない映画体験/ポエティック・ジャスティス/『アンタッチャブル』に「逆撫で」される/自動性再考/スタローンの筋肉/モデル化/「外皮」としての筋肉/ランボーの受難/筋肉によるヴァナキュラー・モダニズム/シュワルツェネッガーと脳筋アクション映画/問題処理能力のコンテナ/オーヴァーソリューション/脳筋化された問題処理プロセス/「物理で殴る」/スタローンの知性/筋肉映画とバーレスク/キャラクターの筋肉と血統
第4章 棒人間と複数の世界――アニメーションの現在・過去・未来
土居伸彰×石岡良治×三浦哲哉
研究から「ニューディアー」設立まで/二一世紀アニメーションの新しい潮流/二〇世紀アニメーションとの断絶と継承/アニメーション映画祭の歴史と放置された領域/アニメーションの「独我論」とコミュニティ/『君の名は。』、『ファインディング・ドリー』と二〇世紀型記憶モデルの変容/個人と世界/普遍性 /寓話性の変容とグローバリゼーション/デジタル時代のアニメーション/アニメーション・ドキュメンタリーと想像力の限界/「非人間化」と「人間化」/アニメーションの視点による実写映画/「アニメ」の人間中心主義とアレゴリー/初音ミクとカール・ドライヤー
第5章 破壊・崩壊・エントロピーの映像的・音響的描写
平倉圭×石岡良治×三浦哲哉
映画論の拡張/スミッソンと『ブロブ』的なもの/「パーティクル化」/モノとパターン/ベルクソンの砂糖水と『モダンタイムス』/《スパイラル・ジェッティ》と「脱差異化」/『ゴジラ』の咆哮/『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』のものたりなさ/気散じと礼拝価値(インターミッション)/『天に栄える村』――土をめぐる実験と再発見/『息の跡』――タネとしてのイメージ/事実とイメージ/細部と全体、フィクションとドキュメンタリー/宗教と信念/映像分析と身体性
第6章 動きから考える――陰謀と表層
畠山宗明×石岡良治×三浦哲哉
陰謀論/「動きから考える」/グリフィス映画における身振りと見えないもの/『北北西に進路を取れ』と推論の時間/メル・ギブソンと『陰謀のセオリー』/『パッション』と『サイン』の信念分析/シネフィル的なものとカルスタ的なもの――装置論の見直し/メル・ギブソンとドリーの注意欠損/地政学的に考える/スペクタクル国家としてのロシア/アレクセイ・ゲルマン
あとがき 三浦哲哉
【プロフィール】
石岡良治(いしおか・よしはる)
1972年生まれ。批評家、表象文化論、芸術理論、視覚文化、ポピュラー文化研究。立教大学、早稲田大学ほかで非常勤講師。著書に『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社、2014年)、『「超」批評 視覚文化×マンガ』(青土社、2015年)、共著に『マンガ視覚文化論──見る、聞く、語る』(論考「反復の悪夢──漫☆画太郎と出来事の連鎖」、水声社、2017年)、他多数。
三浦哲哉(みうら・てつや)
1976年生まれ。青山学院大学准教授。映画批評・研究、表象文化論。著書に『映画とは何か──フランス映画思想史』(筑摩選書、2014年)、『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)。共著に『ひきずる映画──ポスト・カタストロフ時代の想像力』(フィルムアート社、2011年)。訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタビューズ──映画監督ジム・ジャームッシュの歴史』(東邦出版、2006年)。月刊『みすず』誌上で「食べたくなる本」連載中。
入江哲朗(いりえ・てつろう)
1988年生まれ。東京大学大学院博士後期課程、ニューヨーク大学客員研究員。アメリカ思想史、映画批評。共著に『映画監督、北野武。』(フィルムアート社、2017年)、『論集 蓮實重彥』(工藤庸子編、羽鳥書店、2016年)。論文に「ジョージ・サンタヤナとアメリカ文化──あるいは「お上品な伝統」と反知性主義」(『ユリイカ』2017年1月号)、「タトゥイーンの太陽と火星の大地──SF映画における風景の発見」(同誌2016年1月号)、「健さんとシュワちゃん──活劇の臨界を走る」(同誌2015年2月号)など。
土居伸彰(どい・のぶあき)
1981年生まれ。株式会社ニューディアー代表、新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバル・ディレクター。ロシアの作家ユーリー・ノルシュテインを中心とした研究活動を行うかたわら、イベントの企画や執筆、講演などを通じて、世界のアニメーション作品を広く紹介する活動も精力的に携わる。2015年にニューディアーを立ち上げ、『父を探して』など海外作品の配給を本格的にスタート。著書に『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』(フィルムアート社、2016年、日本アニメーション学会賞受賞)、『21世紀のアニメーションがわかる本』(フィルムアート社、2017年)。
平倉圭(ひらくら・けい)
1977年生まれ。芸術学。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院Y-GSC准教授。芸術制作における物体化された思考の働きを研究している。最近はダンス研究を少しずつ。作品制作も時々。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年、第二回表象文化論学会賞受賞)、『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(共著、森話社、2016年)ほか。作品に《ピカソ他を分解する(部分的に遮蔽された)》(レクチャー・パフォーマンス、2015年)ほか。
畠山宗明(はたけやま・むねあき)
1974年生まれ。聖学院大学人文学部助教。映画研究、表象文化論。エイゼンシュテインの映画理論を中心とした映画史の理論的、地政学的な読み直しをテーマとしている。論文に「レイヤー化するイメージ」(『デジタルの際』共著、聖学院大学出版会、2015年)、「エイゼンシュテイン──運動とイメージ、そしてアニメーション」(『ゲンロン7』東浩紀編、2017年)など。
『007/ムーンレイカー』/『2001年宇宙の旅』/『24 -TWENTY FOUR-』/『A.I.』/『Asphalt Rundown』/『G.I.ジェーン』/『JFK』/『Mono Lake』/『アーノルド・シュワルツェネッガーの鋼鉄の男』/『アナと雪の女王』/『アバター』/『アベセデール』/『アポカリプト』/『アメリカの影』/『アラバマ物語』/『アルファヴィル』/『ある街角の物語』/『アンタッチャブル』/『インサイド・ヘッド』/『インセプション』/『インターステラー』/『イントレランス』/『ウェイキング・ライフ』/『ウォーキング』/『エイリアン2』/『エクスペンダブルズ』/『エデンより彼方に』/『オーバー・ザ・トップ』/『オーロラの彼方へ』/『おねがいマイメロディ』/『カエルのフリップ』/『かぐや姫の物語』/『カメラを持った男』/『キートンの蒸気船』/『きっとすべて大丈夫』三部作/『キャスト・アウェイ』/『キャリー』/『キャロル』/『キング・コング』/『グーニーズ』/『クリード/チャンプを継ぐ者』/『クリフハンガー』/『グレースと公爵』/『クロコダイル・ダンディ』/『グロリア』/『ゲアトルード』/『ゲームの規則』/『ゴーストワールド』/『ゴジラ』/『コナン・ザ・グレート』/『コマンドー』/『ゴリラ』/『こわれゆく女』/『コングレス未来学会議』/『ザ・ウォーク』/『サーカス』/『サイン』/『サダデーナイト・フィーバー』/『サマーウォーズ』/『サンライズ』/『ゴダールの映画史』/『ジュニア』/『ショアー』/『ジョジョの奇妙な冒険』/『シン・ゴジラ』/『スカーフェイス』/『スキャナー・ダークリー』/『スコピオ・ライジング』/『ストリート・ミュージック』/『ストレート・ストーリー』/『スパイラル・ジェッティ』/『スミス都に行く』/『スローターハウス5』/『ゼロ・グラビティ』/『ソーシャル・ネットワーク』/『ソルジャーブルー』/『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』/『ダークナイト ライジング』/『ダークナイト』/『ダーティハリー』/『ターミネーター』/『ターミネーター2』/『ダイ・ハード』/『タクシードライバー』/『タツノオトシゴ』/『チチカット・フォーリーズ』/『デジャヴ』/『テディベア』/『トゥルーマン・ショー』/『トップガン』/『ドリーの冒険』/『ナッシュビル』/『ならず者』/『バケモノの子』/『パシフィック・リム』/『バタリアン』/『はちみつ色のユン』/『バック・トゥ・ザ・フューチャー』/『パッション』/『バッド・チューニング』/『バットマン ビギンズ』/『ハッピーアワー』/『パワーズ・オブ・テン』/『パンドラの箱』/『ファインディング・ドリー』/『ファンタスティック Mr.FOX』/『フォレスト・ガンプ/一期一会』/『ブッシュマン』/『フットルース』/『ブリット』/『プリパラ』/『フルスタリョフ、車を!』/『ブレイブハート』/『プレステージ』/『プレデター』/『ブロブ』(邦題『スティーヴ・マックイーンの絶対の危機』)/『ベイブ』/『ベイマックス』/『ベスト・キッド』/『ベトナムから遠く離れて』/『ヘラクレス』/『ペルセポリス』/『ヘルプレス』/『ボーイ・ミーツ・ガール』/『ほしのこえ』/『ホビットの冒険』/『ポンヌフの恋人』/『マイノリティ・リポート』/『マジック・マイク』/『マッドマックス』/『マッドマックス 怒りのデス・ロード』/『マトリックス』/『マトリックス リローデット』/『マトリックス レボリューションズ』/『マルコビッチの穴』/『みみず物語』/『メトロポリス』/『メメント』/『モダン・タイムス』/『やぶにらみの暴君』/『ゆゆ式』/『ラ・シオタ駅への列車の到着』/『ラ・ジュテ』/『ライトスタッフ』/『ラスト・タンゴ・イン・パリ』/『ランボー/怒りの脱出』/『ランボー3/怒りのアフガン』/『リーサル・ウェポン』/『リオ・ブラボー』/『リング』/『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』/『レインマン』/『レスラー』/『レナードの朝』/『ロード・オブ・ザ・リング』/『ロッキー』/『ロッキー2』/『ロッキー3』/『ロッキー4/炎の友情』/『ロッキー5/最後のドラマ』/『ロボコップ』/『わが友イワン・ラプシン』/『ワット』/『意志の勝利』/『陰謀のセオリー』/『宇宙戦争』/『宇宙旅行』/『駅馬車』/『猿の惑星:新世紀(ライジング)』/『王と鳥』/『何がジェーンに起ったか?』/『果てしなき蒼空』/『華氏451』/『奇跡』/『奇跡の海』/『気狂いピエロ』/『恐怖の報酬』/『狂った果実』/『君の名は。』/『軽蔑』/『月世界の女』/『月世界旅行』/『絞殺魔』/『黒いジャガー』/『裁かるゝジャンヌ』/『罪の天使たち』/『散り行く花』/『残菊物語』/『市民ケーン』/『事の次第』/『十戒』/『女優霊』/『勝手にしやがれ』/『小さな恋のメロディ』/『新世紀エヴァンゲリオン』/『神々の黄昏』/『人造の水』/『赤ちゃんの食事』/『雪の女王』/『千と千尋の神隠し』/『戦場でワルツを』/『戦争のない二〇日間』/『捜索者』/『息の跡』/『大人は判ってくれない』/『鳥』/『抵抗』/『天の許し給うものすべて』/『天に栄える村』/『田舎司祭の日記』/『怒りの日』/『逃亡者』/『独裁者』/『波長』/『白雪姫』/『彼女について知っている二、三の事柄』/『悲しみは空の彼方に』/『悲しみよこんにちは』/『秒速5センチメートル』/『父を探して』/『風と共に去りぬ』/『北北西に進路を取れ』/『魔女の宅急便』/『民族の祭典』/『美の祭典』/『明日の世界』/『陽のあたる場所』/『裏窓』/『緑子/MIDORI-KO』/『話の話』/『惑星ソラリス』/『鷲の巣から救われて』/『國民の創生』