はじめての批評

勇気を出して主張するための文章術

川崎昌平=著
発売日
2016年6月25日
本体価格
1,250円+税
判型
四六判・並製
頁数
184頁
ISBN
978-4-8459-1588-0
Cコード
C0095
備考
品切

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いま、なぜ批評が重要なのか?
SNSやブログなどのウェブ媒体において、「文章」に誰もが恒常的に触れる現代、言葉に強さを持たせ、澱みなく主張をアウトプットさせる術を伝授!
批評=「価値を伝える」
伝えたいことを、ちゃんと書けるようになろう

書籍や雑誌だけでなく、SNSを中心としたウェブ媒体が勢力を持つ現代ならではの、自分の主義・主張を誰でも簡単にアウトプットさせるための文章術を説きます。「批評」の重要性・面白さを知ることこそが、「意見」を言葉で伝えるための理想的な手段になるのだという提案が、本書を構成する主軸となります。

「つまらない」とつぶやくだけでは社会は変わりません。対象の価値を自分にとっても相手にとっても高めるために、まずは書いてみましょう。実社会はもとより、創作や教育の現場でも一定の強度と有用性を持った内容です。

目次

はじめに

■第一章 批評の意味
伝えなければ価値は生まれない
単純化された文章は価値を損ねる
価値を伝える文章=批評
批評の目的
批評の効用
言葉の多様性を大切に

■第二章 批評の準備
沸き立つ感情を抑制する
対立する意見を想定する
批評の前に「知らない世界」を調べてみよう
批評の前に対象の歴史を調べよう
批評の前に調べすぎない
批評の先にある未来を想像する
読者の読解力を高く想定する

■第三章 批評を書く
序論と本論と結論という構造を疑う
引っかかるように書く
「不特定多数の読者」は存在しない
書き出しは情報の整理から
情報は文章にはならない
「褒める」文章の効用
Yesを伝えるためにはNoを強調しよう
Noを伝えるためにはYesと静かに微笑もう
「私たち」に責任を背負わせない
「私」に社会を背負わせる
「彼」に時代を背負わせる
「私」を前面に出さないように書く
至高の観察
「私」を埋没させないように書く
書くのは「私」である
堂々と「私」を名乗る
自分を否定しよう
わからないことはわからないと書く
迷いながら書く

■第四章 批評を練る
コトコトするな
カラマーゾフ「の」助詞
テキテキするな
「つまらない」と書かない
「おもしろい」と書かない
カタカナ依存症にご注意
カタカナ・シンドローム
言葉を接続する
言葉を消す
伝える「は」と進める「が」
バカボンのパパ「だ」
連用中止法は言葉を弱くする……ときもある
名詞化されないタイトルは強い……ときもある
強調は短く!
紅玉を侮辱るな!
不関係性の美学
数字は疑われる
数字を無視する
句読点でリズムをつける
明日の話はほどほどに

■第五章 批評を貫く
他人の文章から学ぶ
書いた文章をゆっくり読む
書き直すのは書き終わってから
誤読されるように書き上げる
異論を認める
異論から再構成しよう
書き続けよう

おわりに

プロフィール

[著]
川崎昌平 (かわさき・しょうへい)
1981年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。作家・編集者、東京工業大学非常勤講師。アートと社会の接合を主なテーマとして、作品を発表し続けている。著作に『ネットカフェ難民』、『知識無用の芸術鑑賞』(ともに幻冬舎)、『若者はなぜ正社員になれないのか』(筑摩書房)、『自殺しないための99の方法』(一迅社)、『小幸福論』(オークラ出版)などがある。