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のめりこませる技術

誰が物語を操るのか

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メディアの作り手は、今後いかに消費者を「のめりこませる」ことができるのか

映画、TV、広告、本、ゲーム、ネット、マーケティング……メディアによるストーリーテリングの方法は、デジタル技術の普及により、大きく変わった。
受け手は物語に参加し、自ら物語を語りはじめ、作品の中に役割を得ていっそう夢中になり、やがて、抜けられないほど深くのめりこむ。
そんな世界を創出するために、アメリカのエンタテインメント業界や広告業界は、どのような戦略をとってきたのか。また、これからどのような戦略が有効であるか。『アバター』『スター・ウォーズ』『ダークナイト』『シムピープル』『メタルギアソリッド』「Nike+」などからディズニー帝国まで、数々の作品を例に“物語”の力に迫る。

■ 山形浩生 推薦!
「いまやメディアが現実を詐称するほどの深みを持つフィクションを捏造しつつある。だがそれに没入する利用者たちは、製作者の手の上で踊らされるだけのカモなのか、それともその読みを通じて製作者の意図を喰い破り、現実すら歪めるのだろうか。」
■ 本文中に登場する一部の本邦未放映の映画、ドラマや動画などに関し、下記の特設サイトより閲覧いただけます。
http://www.filmart.co.jp/nomerikomaseru.php

アイデアなんてどこにでもある。
非連続的にすると、何でも入れられるようになった。
──デヴィッド・リンチ

どうやったらゲームの邪魔にならないように複雑な物語を語れるか。
これからのゲーム開発者は、その挑戦を避けて通れなくなると思います。
──小島秀夫

2日後に崩壊しない世界を作り出すことが私の仕事だ。
──フィリップ・K・ディック

別世界を作り上げることが、
そしてその世界の生態系を考え出すことが好きなんだよ。
──ジェームズ・キャメロン


日本──それはオタクの天国でありメディアミックスの故郷。
メタル・ギア・ソリッドの、そして攻殻機動隊の国。
私たちにエンターテインメントの未来を指し示してくれる文化であり、
そして私に『のめりこませる技術』を書くインスピレーションを
授けてくれた素晴らしい国、それが日本なのだ。
──フランク・ローズ(本書著者)より日本版によせたコメント

CONTENTS

プロローグ
メディア的混沌
ぼやける境界線
■ 第1章 字が読めない語り部
『ダークナイト』に参加する/メディアの垣根を越えて/〝なりきり文化〟の夜明け/物語を語る手段/映画の裏設定を体験させる/「これはゲームではない」/参加させる、というマーケティング/オルタナティブ〝リアリティ〟ロック/
■ 第2章 フィクションの扉
ロビンソン・クルーソーの轍/最初は偽物として始まる/引きずり込まれる恐怖/東から来たotaku/メディア横断戦略の先兵/インターネットが語り始める
■ 第3章 物語の奥へ
世界を丸ごと作り込む/アバターへの道のり/3D──奥行きという確信/アバターをゲームに移植する/見えない世界を撮影する/デジタル化された演技/『アバター』が広げた世界/スター・ウォーズの銀河を商品化する/拡張する宇宙神話
■ 第4章 誰が物語を操るのか
50年前からのツイート/人工衛星通信興亡史/クリエイターと消費者は共犯者である/ディケンズと同人誌の意外なつながり/ファン戦争/マスメディアの盗賊vsディープ・メディアの海賊
■ 第5章 分岐する世界
残念なインタラクティブ映画/ハイパーテキストの産声/「グーグルばかりやっていると馬鹿になる」/ボルヘスの可能性の迷宮/非連続的物語の未来
■ 第6章 無限に開いた世界
分岐型結末からシミュレーションへ/物語への執着/感情的に巻き込むゲーム/ゲームと物語の衝突/物語はプレイヤーがつくる/展開が読めないという興奮/人間のシミュレーション/遊びと物語という習性
■ 第7章 集団意識と謎の小箱
視聴者を団結させる/J・J・エイブラムスの謎の小箱/事典を編纂するファンたち/スター・ウォーズ式・複雑な表層と単純な本質/オンライン展開の罠/参加したくなるテレビ番組
■ 第8章 ゲーム化するテレビ
ネットとテレビの共存/コメディ番組のオンライン世界/オンラインという活路/地上波ネット局が沈む/止まらない沈没/ウェブ・シリーズという空騒ぎ/生き残りを懸けて/チャックを救え!/団結するファンたち
■ 第9章 つながる世界
常時接続人間/イッツ・ア・スモール・ワールド/自分語りの世紀/電脳共感空間/誰がウェブ日記なんて読むのか/進化したタクシー無線/脳になる社会
■ 第10章 You Tubeブランド
CMを探し出してもらう/テレビ広告の崩壊/パラノイア/読まれている手口/もはや主導権はない/人生そのものがプログラム/CM界のスター・ウォーズ/ツイートに答えるCM/楽しませる必要はない/走る物語
■ 第11章 片腕の盗賊
ゲーム中の脳の活動/だからゲームはやめられない/学習という依存/期待という本能/すべてはギャンブル/探し求めずにはいられない
■ 第12章 感情エンジン
犬か数千人の命か/見つめ返すゲーム/記憶と想像の境界/想像力が生まれる場所
■ 第13章 崩壊しない世界の創り方
W・ディズニーとP・K・ディックの確執/作り話を現実に/再び電脳空間へ/虚構を現実に変える方法/代替現実願望/とまどいと変容/現実と見分けがつかない世界/撃つか撃たれるか/中に住めるほど、リアル/眠れる森の美女の模造の城/なぜ本物かわからない/崩壊する物語世界
訳者解説

PROFILE

■著者■
フランク・ローズ Frank Rose

ワイアード誌のライター兼編集者としてプレイステーション3に社運を賭けたソニーの命運から、死後ハリウッドでようやく評価されたフィリップ・K・ディックのキャリアまで幅広い題材を取材してきた。本書以外には1989年、スティーブ・ジョブズ追放の顛末を綴った『エデンの西─アップル・コンピュータの野望と相剋』やハリウッドの仁義無き戦いを描いた『The Agency(未邦訳:仮題 代理店)』の著者でもある。
www.frankrose.com
www.artofimmersion.com

■訳者■
島内哲朗

法政大学経済学部卒。南イリノイ大学コミュニケーション学部映画学科卒。カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。ロサンゼルスで映画の絵コンテ・アーティストとしてプロとしての第一歩を印し、B級映画のコンテを量産。帰国後はゲーム関係の場面設定や背景設定などにも携わり、ナイキやユナイテッド航空など海外合作CMの絵コンテを描く。映像以外ではメルボルン、シドニー、サンフランシスコで開催された手塚治虫展「Tezuka, the Marvel of Manga」の図録翻訳、対外渉外を経験し、アート方面にも手を出す。「バトルテック」のインストラクション・ビデオの絵コンテを描いた。
劇映画字幕の仕事に『20世紀少年<第一章>終わりの始まり』、『GANTZ』『赤目四十八瀧心中未遂』『こおろぎ』『愛のむきだし』『希望の国』『千年の愉楽』『かぞくのくに』『幕末太陽傳』『サウダーヂ』『ラブホテル』『ポテチ』『その夜の侍』『キャタピラー CATERPILLAR』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデン・スランバー』『生きてるものはいないのか』『白夜行』『毎日かあさん』『スカイクロラ』『花井さち子の華麗な生涯』などがあり、その他、TV番組、DVD字幕などで豊富な経験を持つ。
翻訳書籍に『シネ・ソニック音響的映画100』(フィリップ・ブロフィ著)、『脚本を書くための101の習慣』(カール・イグレシアス著)がある。

のめりこませる技術
誰が物語を操るのか

フランク・ローズ=著|島内哲朗=訳

  • 四六判|440頁|定価 2,200円+税|ISBN 978-4-8459-1205-6

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