Books

ホラーの哲学

フィクションと感情をめぐるパラドックス

btn_buy


なぜ、「怖い」のに「見たい」のか?
なぜ、存在しないものを怖がるのか?

ここから、ホラーの哲学は始まった。
ホラーの哲学を初めて理論化した革新的著作が、待望の邦訳!


分析美学の第一人者であり、映画・大衆芸術(マス・アート)研究の分野でも活躍するノエル・キャロルによる、ホラーの哲学の初めての体系的著作。

『フランケンシュタイン』『ジキル博士とハイド氏』『ドラキュラ』『エクソシスト』『オーメン』『エイリアン』、さらにはH・P・ラヴクラフト、スティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、シャーリイ・ジャクスンなど…… 
本書では、古典的名作から現代のヒット作品、さらには無名のB級作品まで、膨大な作品群を縦横無尽に取り上げながら、ホラーとは何か、その本質や定義、物語構造とプロット分析、ホラーの魅力、さらにはホラーモンスターの作り方についてなどを論じる。
そして、哲学的な観点から、存在しないとわかっているものをなぜ怖がってしまうのか(フィクションのパラドックス)、また、恐怖を与えるホラー作品をなぜわざわざ求めるのか(ホラーのパラドックス)について考察する。

吸血鬼、ゾンビ、人狼、悪魔憑きの子ども、人造人間、スペースモンスター、幽霊、その他の名もなき怪物たちが、なぜわたしたちの心を摑んで離さないのか。
フィクションの哲学、感情の哲学、ポピュラーカルチャー批評を駆使して、その不思議と魅力の解明に挑む!

ためし読み

・序:本書が置かれた文脈
http://www.kaminotane.com/2022/09/26/21269/

メディア掲載

『怪と幽』vol.012 評者:中島晶也さん
『本の雑誌』2023年1月号 評者:すずきたけしさん
『幻想と怪奇』 評者:牧原勝志さん
『週刊読書人』2022年11月18日号 評者:森口大地さん
『フィルカル』vol.7 no.3

目次

謝辞

本書が置かれた文脈/ホラージャンル摘要/ホラーの哲学とは?

第1章 ホラーの本質

ホラーの定義
 まえおき
 感情の構造について
 アートホラーを定義する
 アートホラーの定義に対するさらなる反論と反例
幻想の生物学とホラーイメージの構造
要約と結論

第2章 形而上学とホラー、あるいはフィクションとの関わり

フィクションを怖がる──そのパラドックスとその解決
 フィクション錯覚説
 フィクション反応のフリ説
 フィクションへの感情反応の思考説
 要約
キャラクター同一化は必要か

第3章 ホラーのプロット

ホラープロットのいくつかの特徴
 複合的発見型プロット
 バリエーション
 越境者型プロットおよびその他の組み合わせ
 典型的ホラー物語が与えるもの
ホラーとサスペンス
 疑問による物語法/サスペンスの構造
幻想

第4章 なぜホラーを求めるのか?

ホラーのパラドックス
 宇宙的畏怖、宗教的経験、ホラー
 ホラーの精神分析
 ホラーの魅力の一般理論と普遍理論
ホラーとイデオロギー
ホラーの現在

訳者解説

PROFILE

【著者】
ノエル・キャロル(Noël Carroll)
アメリカ合衆国の哲学者・美学者。1947年生まれ。ニューヨーク市立大学大学院卓越教授。元アメリカ美学会会長。著書は本書のほか、Mystifying Movies (1988), Theorizing The Moving Image (1996), Philosophy of Art: A Contemporary Introduction (1999), A Philosophy of Mass Art (1998)など多数。

【訳者】
高田 敦史(たかだ・あつし)
1982年生まれ。2008年東京大学総合文化研究科修士課程卒業。専門は、美学、特にフィクションの哲学。論文に「図像的フィクショナルキャラクターの問題」(『Contemporary and Applied Philosophy』6号、2014–2015年)、「ストーリーはどのような存在者か」(『科学基礎論研究』44巻1–2号、2017年)、「スキャンロンの価値の反目的論」(『Contemporary and Applied Philosophy』13号、2022年)など。

ホラーの哲学
フィクションと感情をめぐるパラドックス

ノエル・キャロル=著|高田敦史=訳

  • 四六判・並製|500頁|本体:3,200+税|ISBN 978-4-8459-1920-8

btn_buy


動く出版社 フィルムアート社
logo_footer
株式会社 フィルムアート社
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-20-6 第21荒井ビル │
tel: 03-5725-2001
fax: 03-5725-2626
e-mail: info@filmart.co.jp
Copyright©2023 Film Art, Inc. All Rights Reserved.