映画はどこにある

インディペンデント映画の新しい波

寺岡裕治/森宗厚子=編
発売日
2014年2月1日
本体価格
2,600円+税
判型
四六判・並製
頁数
452頁
ISBN
978-4-8459-1306-0
Cコード
C0074
備考
品切

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映画を再起動(リブート)させる、10年代の顔たちが見つめるものは……?

今、あたらしい世代によるあたらしい「インディペンデント」映画が面白い。監督をはじめ、撮影や録音等の現場スタッフ、プロデューサー、配給宣伝まで、自らの声の届く小回りの利くチーム編成を組み、しなやかにかつしたたかに、自立的な方法論を駆使して映画を撮り、上映している。制度や場に合わせて映画を撮るのではなく、自分たちで制度や場を作って映画を撮り、上映し、そしてまた撮り続ける。その方法論にひとつの固定した解答はない。
本書では、この新しい映画シーンの勢いを形成している映画監督や現場スタッフ、さらには劇場関係者の証言を通して、彼らの考え方、生き方を浮かび上がらせませす。そして、現在の日本映画の状況や今後の展望、ひいては「作りながら生きていくこと」について、それぞれの形を提示します。

〈本書登場の監督・執筆者たち〉
富田克也/相澤虎之助/深田晃司/山崎樹一郎/真利子哲也/濱口竜介/三宅唱/山戸結希/松林要樹/木村文洋/リム・カーワイ/柴田剛/桑原広考/大澤一生/高木風太/岩永洋/黄永昌/島津未来介/根本飛鳥/今村左悶/直井卓俊/加瀬修一/岩井秀世/高野貴子/北條誠人/吉川正文/千浦僚/岡本英之/橋本侑生/塩田時敏/菅原睦子/鈴木並木/平野鈴/野本幸孝/岩崎孝正/オーディトリウム渋谷/ユーロスペース[渋谷]/ポレポレ東中野/K’s cinema[新宿]/名古屋シネマテーク/シネマスコーレ[名古屋]/第七藝術劇場[大阪] /シネ・ヌーヴォ[大阪]/横川シネマ[広島]/シネマルナティック[松山]/森宗厚子

イベント

『映画はどこにある──インディペンデント映画の新しい波』刊行記念企画
KINO TRIBE 2014
2014年1月25日(土)ー1月31日(金)オーディトリウム渋谷で特集上映が決定!

目次

はじめに

〈インディペンデント映画に関する12の旅程①〉
富田克也
逃れられないものならば、向かうしかない。結局「インディペンデント」って「如何に闘えるか」でしょう?
相澤虎之助
映画=武器のゲリラ戦~誰にも求められていないなら、自分たちでやるより他にない
深田晃司
「映画の現場の常識」を相対化して、「今ある以外の映画」の可能性へ
山崎樹一郎
「田植え歌」のような、その土地でしか生まれえない映画を目指して

観客からの声~インディペンデント映画上映会体験記① 鈴木並木

〈映画プロデューサーの「今後10年のビジョン」〉
◎「私たちの映画」に向かって   桑原広考
◎質実ともに「インディペンデント」であり続けながら、「インディペンデント=小規模」という思い込みからも脱却する   大澤一生

〈インディペンデント映画に関する12の旅程②〉
真利子哲也
自分の範囲内では面白くない。手の届かないものを吸収するときに面白くなる
濱口竜介
究極的には、カメラとその前に誰かがいれば映画になる
三宅唱
物語になる一歩手前の感情の流れのような何かが画面に写っていたときに、「これでいいんだ」と思えた
山戸結希
言葉だけではみえない世界へ

観客からの声~インディペンデント映画上映会体験記② 平野鈴
観客からの声~インディペンデント映画上映会体験記③ 野本幸孝

〈インディペンデント映画の生存戦略〉
◎直感を信じて実践あるのみ   直井卓俊
◎現実的かつ義理人情なやり方   加瀬修一
◎制作、上映、宣伝をひっくるめた「映画の現場」を   岩井秀世
◎IT時代のインディペンデント映画を再考する   橋本侑生
◎インディペンデント、自由さの獲得に向けて   岡本英之

観客からの声~インディペンデント映画上映会体験記④ 岩崎孝正

〈インディペンデント映画に関する12の旅程③〉
松林要樹
その人が育ってきた歴史とか、人生の片鱗がみえれば、何かが突き刺さってくる
木村文洋
時代の中で自分たちは何を選びとって生きて行かなければならないのか?
リム・カーワイ
シネマ・ドリフター~今はグローバルの時代だからどこにいても構わない
柴田剛
世の中には階段があって登らなきゃいけないと思われているけど、本当は横からヒュッと行けるんじゃないか?

〈アンケート インディペンデント映画の制作現場から〉
高木風太/岩永洋/黄永昌/島津未来介/根本飛鳥/今村左悶

〈インディペンデントな劇場、上映の現場から〉
◎対談 状況に抗う、挑戦状として〜『サウダーヂ』から見えてくるインディペンデント映画考   北條誠人(ユーロスペース)×吉川正文 聞き手・高野貴子
◎作品ができあがった後の「出来事」を、監督も参加してつくっている場所   千浦僚(オーディトリウム渋谷)
◎観せるための意識とは〜各地の独立系ミニシアターから   森宗厚子
シネ・ヌーヴォ/第七藝術劇場/横川シネマ/シネマルナティック/シネマスコーレ/名古屋シネマテーク/K’s cinema/ポレポレ東中野

〈多様化する映画祭 その使命とは?〉
◎ゆうばり国際ファンタスティック映画祭   塩田時敏
◎仙台短篇映画祭   菅原睦子
◎ニッポン・コネクション(ドイツ)   森宗厚子

インディペンデント映画に関する12の旅程・資料編
12人の監督たち、2011年以降の足跡    寺岡裕治

あとがき   寺岡裕治/森宗厚子