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ソーシャル・ドキュメンタリー

現代日本を記録する映像たち

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アクティビズム、システム、郊外、ケア、私(わたくし)……
ドキュメンタリー映画を通じて、現代社会の変容するリアリティを捉える

90年代以降、デジタルビデオの機動力は飛躍的に向上し、いわゆる「社会派映画」の中にも「個」の視点を基にするものが現れました。声高に反体制のメッセージを叫ぶのではなく、より軽快に、身の丈に合った空間感覚から社会の矛盾を提議すること。この本ではそうした映画の試みを、<ソーシャル・ドキュメンタリー>と名指します。
本書ではこの言葉を軸に、2000年代以降の日本のドキュメンタリー映画(映像)における力強い実践を浮かび上がらせます。作家へのインタビューと、豪華執筆陣による論考という双方の視点から、「新しい社会派」のあり方を徹底検討する一冊です。

■対談:鎌仲ひとみ×津田大介/想田和弘×和合亮一
■作家インタビュー:松江哲明/ヤン・ヨンヒ/大宮浩一/佐々木友輔
■論考執筆者:開沼博/藤井光/萩野亮/渡邊大輔/藤村龍至/佐藤信/立岩真也

CONTENTS

はじめに
0 〈社会派〉から〈ソーシャル・ドキュメンタリー〉へ
【序論】 社会的リアリティの変容ーードキュメンタリーの「主体」をめぐって 萩野亮
1 メディア・アクティビズムにいま何ができるか?
【対談】 ソーシャルメディア時代のアクティビズム 鎌仲ひとみ×津田大介 
【論考】 リアリティの描き方ーー技術的・物理的発展が不可能にしたもの 開沼博
     集合知の時代ーーソーシャル・ネットワークにおける映像の在り方 藤井光 
作品紹介 『フェンス 第一部 失楽園/第二部 断絶された地層』(藤原敏史)
     『犬と猫と人間と』(飯田基晴)
     『Beautiful Islands ビューティフル アイランズ』(海南友子)
     『祝の島』(纐纈あや)
     『ミツバチの羽音と地球の回転』(鎌仲ひとみ)
     *その他の作品
[コラム1]フィルムからネット動画へーー技術革新がもたらしたもの 安岡卓治
2 〈私〉を撮ることは何を意味するのか?
【作家インタビュー】 〈私〉を通して、失われゆくものを記録する 松江哲明 
【論考】 自己と(複数の)他者 萩野亮
     記憶を撹乱する試みー「パーソーシャル・ドキュメンタリー」の可能性 渡邊大輔
作品紹介 『アヒルの子』(小野さやか)
     『セックスと嘘とビデオテープとウソ』(松江哲明)
     『LINE』(小谷忠典)
     『311』(森達也・綿井健陽・松林要樹・安岡卓治)
     『監督失格』(平野勝之)
     * その他の作品
[コラム2]ドキュメンタリーの「商業性」を問い直す 大澤一生
3 〈郊外〉はどのような場所として描けるか?
【作家インタビュー】 可能性としての〈郊外〉 佐々木友輔
【論考】 郊外という絶望の場所を描く 藤村龍至
作品紹介 『ここにいることの記憶』(川部良太)
     『ナオキ』(ショーン・マカリスター)
     『FURUSATO2009』(空族)
     『新景カサネガフチ』(佐々木友輔)
     『モバイルハウスのつくりかた』(本田孝義)
     * その他の作品
[コラム3]〈被写体〉の視線から 佐藤直樹
4 個のカメラに国家は映し出せるか?
【作家インタビュー】 国家に抗して家族の物語をつむぐ ヤン・ヨンヒ
【論考】 ドキュメンタリーという精神ーー《国家》を視るための石つぶてとして 佐藤信
作品紹介 『9.11‐8.15 日本心中』(大浦信行)
     『ディア・ピョンヤン』(ヤン・ヨンヒ)
     『選挙』(想田和弘)
     『花と兵隊』(松林要樹)
     『ベオグラード1999』(金子遊)
     *その他の作品
5 社会制度と個人はどこで折り合えるか?
【作家インタビュー】 制度にかまわない、それぞれの生き方を見つめる 大宮浩一
【論考】 『精神』――社会学をやっていることになっている者から 立岩真也 
     「地上」から遠く離れて 萩野亮
作品紹介 『遭難フリーター』(岩淵弘樹)
     『精神』(想田和弘)
     『玄牝』(河瀬直美)
     『ただいま それぞれの居場所』(大宮浩一)
     『平成ジレンマ』(齋藤潤一)
     *その他の作品
【特別ツイッター対談】
〈個〉の/による記録ーー〈観察映画〉と〈詩の礫〉 想田和弘×和合亮一
■巻末資料 〈ソーシャル・ドキュメンタリー〉をめぐる40人
大宮浩一 鎌仲ひとみ 河瀬直美 想田和弘 松江哲明 森達也 
安岡卓治 ヤン・ヨンヒ(梁英姫) 池谷薫 大浦信行 海南友子 
佐々木友輔 しまだゆきやす 砂田麻美 土屋豊 土井敏邦 平野勝之 
藤原敏史 松林要樹 三宅流  飯田基晴 大澤一生 岩淵弘樹 
岡本和樹 小野さやか 川部良太 金子遊 小谷忠典 齊藤潤一 
刀川和也 柴田昌平 中村高寛 野本大 藤井光 藤本幸久 本田孝義 
纐纈あや 真利子哲也 村上賢司 綿井健陽 
■〈ソーシャル〉と〈ドキュメンタリー〉についてのブックガイド

PROFILE

[編者]萩野亮(はぎの・りょう)
1982年生まれ。映画批評。
立教大学大学院現代心理学研究科修士課程修了。ドキュメンタリーカルチャーマガジン 『neoneo』の編集主幹をつとめる。共著書に『アジア映画の森 新世紀の映画地図』(作品社)。そのほか「フレデリック・ワイズマンのすべて」上映カタログ(作品解説)や、「キネマ旬報」、「映画芸術」などに寄稿している。

ソーシャル・ドキュメンタリー
現代日本を記録する映像たち

萩野亮、フィルムアート社編集部=編

  • 四六判|240頁|定価 2,000円+税|ISBN 978-4-8459-1294-0

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