恐怖 ダリオ・アルジェント自伝

ダリオ・アルジェント=著
野村雅夫/柴田幹太=訳
発売日
2023年10月26日
本体価格
3,400円+税
判型
A5判・上製
頁数
464頁
ISBN
978-4-8459-2013-6
Cコード
C0074
デザイン
戸塚泰雄(nu)
原題
PAURA: The Autobiography of Dario Argento

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“ホラーの帝王” ダリオ・アルジェントの自伝、待望の翻訳!

ホラー映画の伝説的存在であるダリオ・アルジェントは、その特異な作品群でクエンティン・タランティーノやジェームズ・ワンなど同時代の映画人たちをはじめ多くのクリエイターに影響を与え続けている。『サスペリア』、『フェノミナ』、最新作『ダークグラス』など独自の美学を追求した画期的なホラー/サスペンス映画で成功を収めてきた“ホラーの帝王”が、恐怖に魅入られた幼少期、愛する家族、自らの作品とその俳優や仲間たち、輝かしいキャリアと試練や苦難、強迫観念や倒錯的な夢について、その比類なき人生を鮮やかな筆致で明かす。

・初期ジャッロ三部作から、出世作『サスペリアPART2/紅い深淵』、ホラー映画の金字塔『サスペリア』、そして最新作『ダークグラス』まで……“戦慄の巨匠”が全自作について、百戦錬磨の映画術を語る!
・世界的に有名なアルジェント専門家アラン・ジョーンズによる注釈付き。
・撮影現場やオフショットを含む貴重な写真をカラーで収録。

ホラー映画ファン必読の、歴史的な一冊。

眠りにつくということは、僕にとっては悪夢でもあった。他の子供たちのように暗闇が怖かったわけではない。そうではなく、家の廊下が怖かったのだ。(…)不安にさせる雰囲気、廊下のあちこちにあるカーテンと窓、それらを照らす落とし気味の照明、そうしたものが僕を怖がらせた。(…)ただ単に怖い、それだけだった。恐怖というものの、留保なしの純粋で完全な形がそこにはあった。

メディア掲載


目次

英語版への序文 アラン・ジョーンズ

母、そしてディーヴァたち
怪人
その他、子供時代に印象的だった人々
恐怖の夏
パリでの日々
育ち盛り
ラブ・アクチュアリー
二重のお祝い
セルジョ・レオーネ
蜘蛛の巣
鳥が巣立つ
それでこれはジャッロなのか?
娘、フィオーレ
災難
クロスワード・パズラー
動物の襲来
鏡を通して
女たち
路線変更
サーベルタイガー
ときに過去はよみがえる
子供の叫ぶ屋敷
誕生日プレゼント
暴力の爆発
人形の復讐
アーシア
すれ違い
火山の麓で
消えてしまいたい
中国は近い
ゾンビと歩いた
眠れる森の美女
殺人鬼に見張られて
自然の力
殺人猿
ファーブル氏
オペラ座の夜
一番の悲しみ
キラー・アイ
呪い
ラブ・ストーリー
私はダリオ・アルジェントではない
神よ、我が哀れな魂を救いたまえ
オーラの謎
パルテノン神殿のフロイト
予感
怪人、再び
黒いトリノ
いつわりの祈り
イタリアからカナダへ(そして帰国)
過去からの声
彼女について
ポランスキーの印
ウィズイン・ザ・ウッズ
大通り沿いの家
砂の男
幸運な男
恐怖

あとがき

フォトギャラリー1 1970−1978
フォトギャラリー2 1980−1998
フォトギャラリー3 2000−2012

訳者あとがき 野村雅夫
訳者あとがき 柴田幹太

ダリオ・アルジェント 主要作品リスト

プロフィール

[著]
ダリオ・アルジェント(Dario Argento)
1940年、イタリア・ローマ生まれ。世界中のクリエイターに影響を与える“ホラーの帝王”。映画プロデューサーの父親と写真家の母親を両親に持ち、新聞『パエーゼ・セーラ』で映画批評を担当したことから映画との関わりが始まる。セルジョ・レオーネ監督作『ウエスタン』(1968)でベルナルド・ベルトルッチとともに原案に携わり、以降数々の脚本を手がける。『歓びの毒牙』(1970)で映画監督デビューを飾り、『わたしは目撃者』(1971)、『4匹の蠅』(1971)の“動物3部作”でジャッロ映画の人気監督の地位を確立。『サスペリアPART2/紅い深淵』(1975)でその名は世界に知れ渡り、『サスペリア』(1977)はオカルトの新境地を切り開いた名作として、ホラー映画史上の金字塔となった。
その後の監督作品に、『インフェルノ』(1980)、『シャドー』(1982)、『フェノミナ』(1985)、『オペラ座 血の喝采』(1987)、『トラウマ/鮮血の叫び』(1993)、『スタンダール・シンドローム』(1996)、『オペラ座の怪人』(1998)、『スリープレス』(2001)、『デス・サイト』(2004)、『サスペリアテルザ/最後の魔女』(2007)、『ジャーロ』(2009)、『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(2012)など。2023年には10年ぶりの新作『ダークグラス』が公開された。2019年にはイタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞のダヴィッド特別賞を受賞。

[訳]
野村雅夫(のむら・まさお)
1978年生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)イタリア語学科卒業。その後、同大学院で映画理論を学びながら、パゾリーニ作品を研究する。在学時に同好の士を集め、イタリア文化紹介を行うサークルを結成し、後に京都ドーナッツクラブとして株式会社化した。日本未公開の映画上映イベントを多数主催し、字幕制作や解説などを行う、Eテレなどテレビでの映画紹介の企画から出演までを担当。2008年からはラジオDJとしても活動。大阪のFM802で10年レギュラー番組を持った後、姉妹局のFM COCOLOに移籍。現在では、平日のモーニングショーCIAO 765を朝6時から11時まで生放送中。ラジオでの映画評も毎週行っている。

柴田幹太(しばた・かんた)
1978年、山形県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学外国語学部)でイタリア語を学び、同大学院修士課程で脚本家チェーザレ・ザヴァッティーニのネオレアリズモを研究。のちに「モノとしての映画=フィルム」に関心を移し、ボローニャ大学に留学、2年弱の留学期間中に映画三昧の日々を過ごす。帰国後、2008年から映画フィルムの現像所に勤務、映画の復元技術者となり現在に至る。京都ドーナッツクラブでは、日本未公開や過去のイタリア映画の字幕翻訳を多数担当。2018年、イタリアのヴァッレ・ダオスタ州の山岳地帯を330キロ走るスーパーウルトラなトレイルレース「トル・デ・ジアン」を完踏。