
思想で読む映画論
トッド・マガウアン=著|井原慶一郎=訳
四六判・上製|520頁|定価:3,200円+税|ISBN 978-4-8459-1622-1
クリストファー・ノーラン作品、日本で初めての本格的分析本!
メメント、ダークナイト、インセプション、インターステラーまで、ノーラン映画の特徴である「嘘と真実」を軸に、全長編作品を徹底考察!!
☆本書の「イントロダクション」を無料公開中!
下記よりPDFをダウンロードいただけます。
http://filmart.co.jp/wp-fa/wp-content/uploads/2017/07/Nolan_Introduction.pdf
☆メディア掲載
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・「CINRA.NET」にてご紹介いただきました。(2017/5/27)
http://www.cinra.net/news/20170527-toddmcgowan
・「キネマ旬報 7月下旬号」にて書評を掲載いただきました。(2017/7/5)
(評者・南波克行さん <真実に到達するための嘘>)
・「intoxicate」にてご紹介いただきました。(2017/8/20)
http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/15106
・「図書新聞」にて書評を掲載いただきました。(2017/08/31)
(評者・田辺秋守さん<ノーランの映画世界の基礎にあるものは>)
http://www1.e-hon.ne.jp/content/toshoshimbun/3318_3.html
・「Time Line」(TOKYO FM)にて佐々木俊尚さんにご紹介いただきました。(2017/09/04)
番組サイト<まえがきは謳う>でスタッフの方にも紹介いただいております。
・表象文化論学会『REPRE』31号にて書評を掲載いただきました。(2017/11/13)
https://t.co/KH6r2tLAUb
・「日本映画学会会報」第52号にて書評を掲載いただきました。(2017/11/27)
(評者・川村亜樹さんー愛知大学・現代アメリカ表象文化)
jscs.h.kyoto-u.ac.jp/kaihou-52.pdf(PDF)
・「ミステリマガジン」2018年3月号にてご紹介いただきました(2018/1/25)
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これからのハリウッド映画を牽引する映画監督、クリストファー・ノーラン。彼の映画で外せないテーマである「フィクション」や「嘘と真実」を通して、全作品を読み解いていく。各作品において「嘘」がどのように中心的な役割を果たし、観客である私たちは、何に翻弄され欺かれ、ノーラン特有の巨大な「嘘」に巻き込まれていくのか。
そのようなノーラン映画の構造に着目し、虚構(嘘、仮想、夢、偽装など)を作り込むためにどのような仕掛けを施しているか、その映像と物語の展開の巧みさを、哲学や精神分析理論からも考察。ノーラン映画ファンはもちろん、哲学や精神分析学に関心のある方まで、読み応えのある1冊です。
気鋭の映画・メディア研究者、中路武士氏による詳細なノーラン作品解題も収録!
☆最新作『ダンケルク』が、今年9月より国内ロードショー!!
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/
■クリストファー・ノーラン (Christopher Nolan)
イギリス生まれの映画監督、脚本家、プロデューサー。子どもの頃から8ミリでの撮影を始め、その後ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで英文学を専攻するかたわら、16ミリで映画製作を行う。初長編作品「フォロウィング」(98)がトロント、ロッテルダム、香港などの映画祭で高い評価を受け、続く「メメント」でインディペンデント・スピリッツ・アワードの監督賞と脚本賞を獲得。
「バットマン」新シリーズの第1弾「バットマン・ビギンズ」の監督に抜てきされ、続編の「ダークナイト」も大ヒットした。その後も「プレステージ」「インセプション」「バットマン」シリーズ第3弾と話題作が続く。2014年には、最新の物理学の研究成果を下敷きにSF超大作「インタステラー」を完成させ、本作は全世界で6億ドル以上の興行収入を記録した。
〈主なフィルモグラフィ〉
フォロウィング(1998)、メメント(2000)、インソムニア(2002)、バットマン ビギンズ(2005)、プレステージ(2006)、ダークナイト(2008)、インセプション(2010)、ダークナイト ライジング(2012)、インターステラー(2014)、ダンケルク(2017)
「映画研究や精神分析理論、とくにラカンとヘーゲルの研究者にとって、とても重要なテキストとなる」
「気取らず素晴らしく鋭い批評。ノーランの完全な読解と言ってもいい」
──米国内 書評より
謝辞
イントロダクション 嘘の倫理学
第1章 真実という罠:『フォロウィング』と完璧な身代わり
第2章 『メメント』と知ろうとしない欲望
第3章 汚れた警官:『インソムニア』と犯罪捜査の技法
第4章 凡庸なスーパーヒーロー:『バットマン ビギンズ』の政治化されたリアリズム
第5章 『プレステージ』における創造の暴力
第6章 真のヒーローの外観:『ダークナイト』の必要な闇
第7章 『インセプション』における現実放棄の要請
結び 結果なき嘘
+第8章 『ダークナイト ライジング』:闇の騎士は本当に立ち上がったのか?
+第9章 反重力:『インターステラー』とフィクションによる場所からの離脱
原註
訳者あとがき
引用文献
クリストファー・ノーラン作品解題
索引
【著者】
トッド・マガウアン (Todd McGowan)
バーモント大学准教授(The Fictional Christopher Nolan執筆当時)。文理学部英文学科フィルム&テレビジョン・スタディーズ課程で映画と文化理論を教える。著書に Out of Time: Desire in Atemporal Cinema (University of Minnesota Press, 2011)、The Real Gaze: Film Theory After Lacan (SUNY Press, 2007)、The Impossible David Lynch (Columbia University Press, 2007)など多数。
【訳者】
井原慶一郎(いはら・けいいちろう)
鹿児島大学教授。専門は英文学、表象文化論。著書に映画学叢書『映画とイデオロギー』(共著、ミネルヴァ書房、2015年)、訳書にアン・フリードバーグ『ウィンドウ・ショッピング/映画とポストモダン』(共訳、松柏社、2008年)、同『ヴァーチャル・ウィンドウ/アルベルティからマイクロソフトまで』(共訳、産業図書、2012年)など。