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スティーブン・スピルバーグ論

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日本におけるスピルバーグを巡る言葉と評価が、一転する

映画界の頂点に君臨し続ける作家、スティーブン・スピルバーグについての初の総論。<リアルとアンリアル>、<戦場と夢想>、<大人と子供>の狭間で、常に世界とコミュニケーションをとってきたスピルバーグ。
ユダヤ系の出自、世界大戦への興味、幼年期の思いはもちろん、アメリカ史の中で、時には文芸作家として、製作総指揮として、キューブリックの企画の後継人として……、これまで映画製作にどんな背景や展望を持って取組んできたのか。
『ジョーズ』『ジュラシック・パーク』『プライベート・ライアン』『カラーパープル』『マイノリティ・リポート』『1941』『アミスタッド』など、すべての作品を初めて同一線上に並べて複合的に読み解くことで、その映画的アイデンティティに迫る。

■『E.T.』時代のインタビュー、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』製作陣ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイルとの鼎談によるスピルバーグ自身の言葉を収録
■ 今春、最新作『リンカーン』が全国劇場にて公開!

スピルバーグをめぐる言葉は、これまであまりにも断片的だった。その姿を総合的に解き明かそうとする研究は、今のところほぼ皆無と言っていいと思う。スピルバーグのある種の面は評価するが、ある別の面には無関心、というパターンが多い。ひとまず肯定的な眼差しのもとに、ひとりの映画作家について、愛情をこめて語りきること。スピルバーグに対して、その作業が行われていないのは絶対におかしい。それでは映画をめぐる言葉に過去も未来もないのではないか。

──編者による序文より

CONTENTS

序文にかえて  南波克行
■ 論考1 夜の暗がりの寄る辺なさとともに
 ──スピルバーグ映画の子供たち

 大久保清朗
 COLUMN スピルバーグとフランス人俳優
 南波克行
■ 論考2 製作総指揮者スピルバーグ論 楕円というオブセッション
 上島春彦
■ 翻訳 『E.T.』直後(1982年)のインタビュー
 インタビュアー:マイケル・スラゴウ
 南波克行:訳
■ 論考3 文芸作家としてのスピルバーグ
 ──教育のテーマが結実するまで

 斎藤英治
 COLUMN ユダヤ記念館への援助活動
 越智道雄
■ 翻訳 スティーブン・スピルバーグ×ロバート・ゼメキス×ボブ・ゲイル
 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』製作25周年記念鼎談

 南波克行
■ 論考4 スピルバーグ
 ──「歴史の悪夢」への挑み方

 越智道雄
■ 論考5 スピルバーグの戦争と肯定の炎
 西田博至
 COLUMN スピルバーグ腹心のスタッフたち
 南波克行
■ 論考6 スタンリー・キューブリックの遺産
 ──『2001年宇宙の旅』が『A.I.』になる時

 巽孝之
■ 論考7 スピルバーグとコミュニケーション
 南波克行
 COLUMN メイキング映像のスピルバーグ
 南波克行
■ 論考8 二人のトム
 ──トム・ハンクスとトム・クルーズ

 南波克行
 COLUMN スピルバーグの政治的フィルム
 南波克行
■ 論考9 リアルとアンリアルの間
 南波克行
 後記 南波克行
 スピルバーグ年譜
 執筆者略歴
 掲載作品DVD情報

PROFILE

■ 編者
南波克行(なんば・かつゆき)
1966年東京都生まれ。映画評論家・批評家。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。アメリカ映画研究。茨城大学教育学部教養科目の授業において年に1度、映画に関する講義も行っている。外資系銀行員を経て、現在国内企業での執務のかたわら執筆活動を行う。共著書に『熱い書評に親しむ感動の名著』(すばる舎)、『宮崎駿の世界 ─クリエイターズファイル』、『スピルバーグ ──〈宇宙〉と〈戦争〉の間』(ともに竹書房)。その他、ウディ・アレン、フランシス・コッポラ、マーティン・スコセッシなどを含む、アメリカ映画を中心に「キネマ旬報」などへの執筆も行っている。

■ 執筆者(五十音順)
大久保清朗(おおくぼ・きよあき)
1978年東京都生まれ。映画研究者。山形大学人文学部専任講師。東京大学大学院超域文化科学専攻表象文化論博士課程満期退学。共著に蓮實重彦・山根貞男編『成瀬巳喜男の世界へ』(筑摩書房)、中央大学人文科学研究所編『映像表現の地平』(中央大学出版部)、訳書にフランソワ・ゲリフ『不完全さの醍醐味──クロード・シャブロルとの対話』(清流出版)などがある。「朝日新聞グローブ」に不定期にて映画クロスレビューを担当。他、「キネマ旬報」、「中央評論」などで幅広く執筆している。

越智道雄(おち・みちお)
1936年愛媛県生まれ。明治大学名誉教授。広島大学大学院文学研究科博士課程修了。英語圏新世界諸国の比較文化研究。翻訳家。日本翻訳家協会評議員。著書に『カリフォルニアの黄金 ゴールドラッシュ物語』(朝日選書)、『ワスプ(WASP)』(中公新書)、『ブッシュ家とケネディ家』(朝日選書)、『誰がオバマを大統領に選んだのか』(NTT出版)、『大統領選からアメリカを知るための57章』(明石書店)、共著に『オバマ・ショック』(集英社新書)。訳書にザヴィア・ハーバート『かわいそうな私の国』(サイマル出版会、日本翻訳出版文化賞)、ローズマリー・ハリス『遠い日の歌が聞こえる』(富山房、産経児童出版文化賞)など多数。

上島春彦(かみじま・はるひこ)
1959年長野県生まれ。映画評論家。国学院大学文学部卒業。著書に『モアレ──映画という幻』(世界思想社)、『宮崎駿のアニメ世界が動いた──カリオストロの城からハウルの城へ』(清流出版、第四回京都映画祭文化賞受賞)、『レッドパージ・ハリウッド──赤狩り体制に挑んだブラックリスト映画人列伝』、『血の玉座──黒澤明と三船敏郎の映画世界』(以上、作品社)、共著に『60年代アメリカ映画』(エスクァイアマガジンジャパン)などがある。その他、「キネマ旬報」、「映画芸術」などへの執筆、アテネフランセ文化センターなどでの講演活動なども行っている。

斎藤英治(さいとう・えいじ)
1957年茨城県生まれ。明治大学法学部教授。慶応義塾大学文学部西洋史学科卒業、明治大学文学研究科英文科修士課程修了。専門は、アメリカ文学・アメリカ映画。著書に『さようなら、映画館──80年代フィルム・カルチャー』(フィルムアート社)、『恋は不器用なほうがいい──Sweet romances in 200 great movies』(NTT出版)、共著に『映画的!』(フィルムアート社)、訳書にマーガレット・アトウッド『侍女の物語』(ハヤカワepi文庫)、モナ・シンプソン『ここではないどこかへ』(ハヤカワ文庫NV)、共訳書にポーリン・ケイル『明かりが消えて映画がはじまる──ポーリン・ケイル映画評論集』(草思社)など多数。

巽孝之(たつみ・たかゆき)
1955年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部教授。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D, 1987)。アメリカ文学者。SF評論家。現在、日本英文学会監事、日本アメリカ文学会編集委員長、アメリカ学会理事、Journal of Transnational American Studies編集委員。MLA、日本ペンクラブ、日本SF作家クラブ会員。主著に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、1988年日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム──米文学思想史の物語学』(青土社、1995年福沢賞)、『「2001年宇宙の旅」講義』(平凡社新書)、『リンカーンの世紀』(青土社)、FULL METAL APACHE(デューク大学出版局、2010年度国際幻想芸術学会賞[IAFA Award]学術部門賞)、編著に『日本SF論争史』(勁草書房、第21回日本SF大賞)、訳書にダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(水声社、第2回翻訳大賞思想部門賞)など。

西田博至(にしだ・ひろし)
1976年大阪市生まれ。批評家。大谷大学文学部哲学科卒業。一般企業に就職後、佐々木敦の「批評家養成ギブス」第一期に参加して学ぶ。その同窓生を中心に刊行されている批評誌『アラザル』にて、「一柳慧のいる透視図──ニッポンの批評へ」を連載中。一柳慧の音楽活動の軌跡を詳らかにしながら、戦後日本の社会と諸々の前衛藝術との相関を発掘している。さらに同誌で、一柳慧、鈴木治行などにロングインタビューを実施。その他、映画・クラシック音楽・美術・演劇などを中心に、多彩な論評を展開している。それ以外の活動として、同人ゲームのアートディレクションや、創り手のための哲学講義なども行っている。

スティーブン・スピルバーグ論

南波克行=編著|執筆者=大久保清朗、越智道雄、上島春彦、斎藤英治、巽孝之、西田博至

  • A5判|272頁|定価 2,600円+税|ISBN 978-4-8459-1204-9

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