秋山祐徳太子+しりあがり寿 ブリキの方舟

広島市現代美術館/フィルムアート社編集部=協同企画
発売日
2011年10月26日
本体価格
2,200円+税
判型
A5判・並製
頁数
208頁
ISBN
978-4-8459-1181-3
Cコード
C0070
備考
品切

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「いま」を生きる私たちに与えられた
<脱力>の戦法

秋山祐徳太子の創作の原点となる「ブリキ」と、しりあがり寿が20世紀の終わりに発表した作品『方舟』を大胆に融合。闘争の60年代から3・11以降までの2人の軌跡を集大成的に紹介し、「ブリキの方舟」という切り口から新たな側面を導きだす。また、これまでどこにも語られることのなかった創作における「戦略性」や、閉塞感に満ちた現代におけるアートの存在意義など、ディープかつ現在的な視座から、いま見据える世界を解体していく。
戦後ポップカルチャーを疾走する2人による<滅び>の方舟が船出する!

「ブリキの方舟」、それはすなわち秋山さんとしりあがりさんの
「泡沫心」による救済だと私は勝手に解釈している。
──山下裕二

「ブリキの方舟」は水に浮かないかもしれない。
けれどもそれは、とりあえず私たちに残された数少ない選択肢なのではないか。
──毛利嘉孝

秋山祐徳太子の意味や、しりあがり寿の狂気。
何年、何十年も前にセットされた不発弾はわたしの中にまだまだ転がっているし、
これからもセットされる。
──しまおまほ

目次

特別描き下ろし漫画 しりあがり寿 2人の広島♡
秋山祐徳太子 〈闘争〉の軽ろみ
秋山祐徳太子 語り下ろし
秋山祐徳太子 作品解説
秋山祐徳太子×しりあがり寿 〈脱力〉の技法
秋山祐徳太子×しりあがり寿 特別対談
秋山祐徳太子×しりあがり寿 コラボレーション新作 ブリキの方舟2011年
しりあがり寿 〈滅び〉の戦略
しりあがり寿 語り下ろし
しりあがり寿 作品解説
特別寄稿
山下裕二  泡沫心の二人
毛利嘉孝  敗戦後を生き延びるために―「ブリキの方舟」はどこへ向かうのか
しまおまほ わけのわからない大人たち
松岡剛   ブリキの方舟―泡沫的、超越的なるもの
秋山祐徳太子+しりあがり寿 年譜
図版掲載作品データ
撮影者クレジット

プロフィール

[著]
秋山祐徳太子
1935年東京生まれ。60年武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)卒業。65年「岐阜アンデパンダン・フェスティバル」に自分自身を出品。以後、「ダリコ」などポップ・ハプニングと称するパフォーマンスを展開。また、75年、79年の2度に渡り東京都知事選に出馬。「政治のポップ・アート化」を目指し、独自の選挙活動を行なった。著書に『ブリキ男』(晶文社)、『通俗的芸術論』(土曜美術社)、『恥の美学』(芸術新聞社)など多数。

しりあがり寿
1958年静岡市生まれ。1981年多摩美術大学卒業。キリンビール株式会社に入社し、パッケージデザイン、宣伝、商品開発を担当。1985年単行本『エレキな春』で漫画家としてデビュー。パロディーを中心にした新しいタイプのギャグマンガ家として注目を浴びる。また、近年ではエッセイ、映像、ゲーム、アートなど多方面に創作の幅を広げている。著書に、『流星課長』(竹書房)、『ゆるゆるオヤジ』(文藝春秋)、『弥次喜多in DEEP』(エンターブレイン)、『あの日からのマンガ』(エンターブレイン)ほか多数。