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サウンドアート

音楽の向こう側、耳と目の間

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サウンドアートの歴史とその発展、新たな展望を示す、NYの気鋭の音楽家、アラン・リクトによる新しいサウンドアート研究の決定版、待望の日本語訳!

NYアンダーグラウンドの熱気の中で過ごした、音楽家でありミニマル・ミュージック研究家でありジャーナリストとしての顔を持つアラン・リクトが、アカデミックなカテゴリーから脱し、現場で得た「音」をめぐる「アート」のさまざまな事象を縦横無尽に書き尽くした、これまでにないサウンドアートの地図作成の試みです!
「本書を読んだあと、音に目を向けたあなたは、それが音なのかアートなのかを自問することになるだろう。そしてまたもやスタート地点に立つことになる。」 ジム・オルーク(まえがきより)

■約90点に及ぶ豊富な図版を収録!
■恩田晃による日本語版特別寄稿!

推薦コメントいただきました!(5月5日更新)
「サウンドアートと呼ばれることで、聴こえてくるもの、見えてくるものこそ、いまの時代の耳と目が求めるものだ。サウンドアートをめぐって、過去から浮かび上がる発見と、未来に触れるヒントが書かれた本。そして、僕が好きだったギタリストが書いた本。」
原 雅明
「見よ! 優雅な愚行の連続。これを豊かと言わずに、何と言おう?」
中原昌也
「サウンド!?アート!?サウンドアートとは!?日常と非日常のあらゆるところにひそむ音と音楽。楽しみ方と発見と想像力と感覚を研ぎすます閃きと知恵くらべ。その繰り返し。時代はめぐる。そしてその繰り返し。サウンド!?アート!?サウンドアートっていったい!?」
コンピューマ(a.k.a.松永耕一)

  ジョン・ケージからデストロイ・オール・モンスターズまで
  ルイジ・ルッソロから池田亮司まで

美術館を脱し、野外、自然、環境へ。あるいは、アカデミックを脱し、ロック、ポップ、クラブ・カルチャー、デジタル・マテリアリズムへ。人間がもつ根源的な音への欲望を探る、新しいサウンドアートの地図。
  第二次世界大戦後の欧米を主とした音と美術の動向をカヴァーしている本書は当然のことに、社会構造や経済構造の大きな変化を如実に反映している。表現の中身はもちろん、システムや流行のあり方といおうか、波(ウェイヴ)や気運の変遷である。ここには高尚な芸術より以上に、ロック、パンク、アニメ、映画、ファッション、政治、戦争、多文化主義などの相互影響関係が描かれている。言ってみれば、現代社会の人間の生活のハイもロウも、清濁あわせて流れ込んでいる。既成の音楽や美術のヒエラルキーから脱却あるいは遁走して、一人一人の生活者の何らかの側面に直結する親和性をサウンドアートはもっているのではないだろうか。

──木幡和枝(監訳者あとがきより)

本書で言及される主要なアーティスト

ジョン・ケージ/ブライアン・イーノ/ヘルマン・ニッチュ/マイケル・スノウ/ロルフ・ユリウス/フィル・ニブロック/シャルルマーニュ・パレスタイン/クリスチャン・マークレイ/デストロイ・オール・モンスターズ/ソニック・ユース/サーストン・ムーア/カールステン・ニコライ/池田亮司/リチャード・シャルティエ/メイヨ・トンプソン/ブラック・ダイス/ライトニング・ボルト/メルツバウ/ルイジ・ルッソロ/クルト・シュヴィッタース/ローリー・アンダーソン/マックス・ニューハウス/マリアンヌ・エメシェール/ラ・モンテ・ヤング/トニー・コンラッド/モートン・フェルドマン/ヤニス・クセナキス/カールハインツ・シュトックハウゼン/ヨーゼフ・ボイス/ナム・ジュン・パイク/小杉武久/デイヴィッド・チュードア/刀根康尚/テリー・ライリー/ヴェルヴェット・アンダーグラウンド/ウォルター・デ・マリア/グレン・ブランカ/ジャン = ミシェル・バスキア/マーク・ロスコ/デニス・オッペンハイム/クレス・オルデンバーグ/ビル・ヴィオラ/スティーヴ・ライヒ/リース・チャタム/マルセル・デュシャン/ブルース・ナウマン/R・マリー・シェーファー/ロバート・ラウシェンバーグ……ほか

CONTENTS

まえがき ジム・オルーク

PART 1 サウンドアートとは何か?
○サウンドアートという用語
美術館で扱われるサウンドアート/“音楽はどこにでも存在し、あらゆる音に存在する”/音楽が宿命から解き放たれる時/サウンドアートの提示と鑑賞
○視覚 vs 聴覚/音 vs 無音
日常における聴覚と視覚の相性/サウンドアートの3つの分類/音と視像の分離に見るサウンドアートの起源/形をもたない声─電話、ラジオ、映画/トーキー映画の音声とモンタージュ/音と映像のシンクロ効果/音声と映像の不一致効果/録音を「芸術」としてとらえる/音響、反響、空間性/録音物 vs 場所性/建築とサイト・スペシフィシティの関係/教会音楽、交響楽団とサイト・スペシフィシティ/空間とミュージック・コンクレート/シュトックハウゼンの空間音楽/ラ・モンテ・ヤングのよく調律されたピアノ/コンサート・ホールの柔軟な使い方

PART 2 環境とサウンドスケープ
○自然、あるがままのもの–コンサート・ホールを超えて
自然を尊重する音楽/環境要素を使ったほかの作品例/環境音としてのノイズ:未来派とルッソロ/ノイズに秩序を与える:R・マリー・シェーファー/自然音と機械音の共通点/ノイズとしての「泥」/音がパッケージから環境の一部になる/アースワークとサウンドアート/ノイズとはいったい何なのか?/音の環境の総体としてノイズをとらえる/環境に浸透し、まぎれこむ作品/ラジオ・アートという試みの歴史/時間の消滅
○スケール感覚の拡張と変換

PART 3 音と美術の世界
○音楽 vs 絵画
音が、アートの世界の一部になる/50年代NYのクラシック音楽とアート・シーンの接点/ロバート・ラウシェンバーグの絵画に影響を受けた作曲家/音の視覚化と楽譜/音の再生と生成
○美術家による音
音響詩、モノクローム絵画、アール・ブリュットの上演の試み/ヴィジュアル・アーティストによるノイズ音楽/ジョン・ケージの抱えたジレンマ/ポスト・ケージ世代に浮かび上がる分岐点/フルクサスの時代─音楽出身のヴィジュアル・アーティスト/小杉武久とフルクサス、ケージ/フルクサスにおけるパフォーマンス性/ケージからサウンドアートへ向かう/音を使ったコンセプチュアル・アート/音を使ったパフォーマンス・インスタレーション/アートとポップ、行き交う羨望/70年代末ノー・ウェイヴの席巻/80年代ポスト・ノー・ウェイヴ─ソニック・ユースとバスキア/90年代NYのアートとロック/ノイズ/ノイズ/ロックの主役たち─アートスクール出身アーティスト/ロック/ポップの音楽家とアートの関係/アートとポップ・ミュージックを横断するオノ・ヨーコ/メイヨ・トンプソンの場合/ドイツの80年代ポスト・パンク・シーン/ジャーマン・ニュー・ウェイヴ・ノイズの極北/美術界と歌とポップ
○音響彫刻とは何か?
音響彫刻の源泉/音響彫刻の素材は多様である/音響彫刻の範疇から外れるもの
○ヴィデオ・アートと映画の音響デザイン
ビル・ヴィオラに見るヴィデオとサウンドの構造/ブルース・ナウマンの音を分離させたヴィデオ・アート/イメージと音との相互作用/映画の音響デザインとは─ウォルター・マーチの革新性/映画のサウンド・システム
○カテゴリーをまたぐ、つなぐ
テクノロジーテクノロジーの進歩とサウンドアート/クリック/グリッチにフォーカスするアーティストたち/無音/無音に近い音/池田亮司とフランシスコ・ロペス─禁欲と欠落/「家具の音楽」の現在進行形/録音と音による監視/批評と理論の実践者たち/受け手と送り手の関係の新たな位相/広がり、身近になるサウンドアート/シチュエーションを作りだす共同作業/人間、宇宙、意識の根源─サウンドアートの可能性

PART 4 アーティスト・バイオグラフィ
ハリー・ベルトイア/フランソワ&ベルナール・バシェ/ジャン・ティンゲリー/マイケル・スノウ/アルヴィン・ルシエ/フィル・ニブロック/パウル・パンハウゼン/ジョー・ジョーンズ/ラ・モンテ・ヤング/刀根康尚/ヘルマン・ニッチュ/バーンハード・レイトナー/アニア・ロックウッド/ロルフ・ユリウス/マックス・ニューハウス/鈴木昭男/テリー・フォックス/マリアンヌ・エメシェール/シャルルマーニュ・パレスタイン/ビル・フォンタナ/クリスティーナ・クービッシュ/ブライアン・イーノ/トリンピン/マイク・ケリー/クリスチャン・マークレイ/カール・マイケル・フォン・ハウスウォルフ/ジャネット・カーディフ/マイケル・J・シューマッカー/フランシスコ・ロペス/ステファン・ヴィティロ/スティーヴ・ロデン

監訳者あとがき 木幡和枝
日本語版特別寄稿 「アラン・リクトについて」恩田晃
索引

PROFILE

【著者プロフィール】

アラン・リクト(Alan Licht)
1968年ニュージャージー生まれ。音楽家/ギタリスト。90年代から音楽活動を開始。Run On、Love Childなどのインディ・ロック・バンドを経て、デレク・ベイリー、ジョン・ゾーン、リース・チャタム、マイケル・スノウ、ローレン・コナーズら幅広いアーティストと共同作業を続けてきた。ソロ名義の作品に『Sink the Aging Process』(1994)、『The Evan Dando Of Noise?』(1997)、『Rabbi Sky』(1999)、『Plays Well』(2000)、『A New York Minute』(2003)、『YMCA』(2009)など。また、ニューヨークの前衛音楽シーンの中心的なクラブ〈Tonic〉で2000年から2007年の閉鎖までブッキング担当も務めた。ライター、ジャーナリストでもあり、音楽、映像、アートに関して『WIRE』、『Art Forum』、『Modern Painters』ほか様々な雑誌に寄稿。著書に『An Emotional Memoir of Marth Quinn』(Drag City Press、2003)。近年のプロジェクトに、音楽家・恩田晃とのコラボレーションや、スタン・ブラッケージなどの実験映画にあわせて即興演奏するリー・ラナルドとのText of Lightなどがある。

ジム・オルーク(Jim O’Rourke)
1969年シカゴ生まれ。音楽家、エンジニア、プロデューサー。コラボレーション/バンドとしても数多くのプロジェクトに関わる。アルバムも多数。最近作に『The Visitor』(2009)、『All Kinds of People~love Burt Bacharach~produced by Jim O’Rourke』(2010)など。04年には、”Wilco/A ghost is born”のプロデューサーとしてグラミー賞を受賞。映像作家とのコラボレーションとしてヴェルナー・ヘルツォーク、オリヴィエ・アサイヤス、青山真治、若松孝二などの監督作品のサウンドトラックを担当。映画監督としても活動し、2004年と2006年にはホイットニー・ビエンナーレ、2005年にはロッテルダム映画祭で上映されている。

【訳者プロフィール】

木幡和枝(こばた・かずえ)
1946年東京生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科教授。上智大学新聞学科卒業後、編集に従事。70年代より美術、音楽、ダンスのプロデューサー、NY〈P.S.1〉の客員学芸員。82年オルナタティヴ・スペース〈plan B〉を田中泯らとオープン。訳書にデレク・ベイリー『インプロヴィゼーション 即興の彼方へ』(共訳、工作舎)、ローリー・アンダーソン『時間の記録』(NTT出版)、トニー・ゴドフリー『岩波 世界の美術 コンセプチュアル・アート』(岩波書店)、スーザン・ソンタグ『この時代に想う テロへの眼差し』『良心の領界』『同じ時のなかで』(NTT出版)など。ベン・ワトソン『デレク・ベイリーとフリー・インプロヴィゼーションの物語』(仮題、工作舎)とスーザン・ソンタグの日記『Reborn』(河出書房新社)を2010年中に訳出刊行予定。

荏開津 広(えがいつ・ひろし)
東京生まれ。ライター。東京藝術大学、多摩美術大学非常勤講師。
著書『人々の音楽のために』(EDITION OK FRED)、『ロックピープル101』(共著、新書館)。訳書『ヤーディ』(トランスワールドジャパン)。エッセイ「Attempt to Reconfigure “Post Graffiti”」。
http://snow-mag.com/

西原 尚(にしはら・なお)
1976年生まれ、京都市と宇部市で育つ。現在、東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻、修士課程在籍。音の設置、楽器制作、音の収集、踊りの音、狂言、能管、など活動し、音の研究・考察を続ける。2010年3月、この春で停止される予定の霧信号、つまり霧笛の音をもとめ、北へ旅している。

【特別寄稿】

恩田晃(おんだ・あき)
音楽家、写真家、映像作家。1967年、日本に生まれ、現在はニューヨークを拠点としている。1992年に山塚アイ、竹村延和らと「オーディオ・スポーツ」を結成、3枚のアルバムをリリースする。2000年にアメリカに移住。カセット・ウォークマンで日記のように録り溜めたフィールド・レコーディングを演奏するプロジェクト「カセット・メモリーズ」を続けている。加えて、恩田自身が撮影した写真をスライド上映するプロジェクト「シネマージュ」、前衛映像作家ケン・ジェイコブスとのコラボレーションなど、メディアを縦断する活動を精力的に行っている。近年は欧米各地のフェスティバルに頻繁に招待され、アラン・リクト、ローレン・コナーズ、マイケル・スノウ、ノエル・アクショテらと演奏、上映を重ねている。
http://www.akionda.net/

サウンドアート
音楽の向こう側、耳と目の間

アラン・リクト 著/ジム・オルーク まえがき/荏開津広、西原尚 訳/木幡和枝 監訳

  • 四六判変形
    352頁
    2,500円+税
    ISBN 978-4-8459-0942-1

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